内容説明
いきいきとした教室、これは全部の先生の悲しいほどの願いです―ひとりひとりが確実に成長している実感がもてる、一所懸命生きている教室、そんな教室のために、教師がしなくてはならないことは何か。子どもたちが打ち込み、深く心に刻むことができるような授業のために、単元学習の実際、漢字学習の具体的な方法、読書、目標のさだめかた、しからない工夫、話し合いなど、実際に著者が教室で行ってきた工夫を紹介する。育てる迫力に満ち、畏れながらも力を尽くす―子どもたちの教育にかかわるすべての人に贈る一冊。
目次
いきいきとした教室
身をもって教える
話し合うこころ
目標をさだめて
国語教師に望まれること
著者等紹介
大村はま[オオムラハマ]
1906年、横浜生まれ。1928年、東京女子大学卒業後、国語科教師として長野県の諏訪高等女学校に赴任。1947年、新制中学の教師に転出し、以来、単元学習など数多くのユニークで実践的な指導を重ねる。2005年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ichiro Toda
7
国語教師の講演をまとめた本で、国語を教えることを通して教師というものがどのように物を教えるべきか、また教師の意義や教師としてあるべき姿について言及されている。教師が教えることは決して強制することではなく、生徒の知的好奇心に寄り添い、正しい学び方に矯正していくというこのなのだと感じた。生徒のの自主性に任せた教育ということがゆとり教育時代に叫ばれたが、それは学習の基礎が固まっていない大半の生徒には困難なことで、生徒の理解度により質問方法を変え、そして学校にとっての優等生を量産しないように配慮すべきと感じる。2014/05/14
かみうち
5
『教えるということ』とほぼ同じ内容。 真実のことばという表現が素敵。真実の想いを反映した真実のことばで語らわねば、ことばの力はつかないのではないか。お互いが知っていることを、知りたくもないのに尋ね答える(テストがまさにこの形だ)。この形の中では、子どもも教師も本気で知りたい、伝えたいと思わないのではないか。 このような意味で、お互いが知らないことを考えああ冒険的な授業が求められる。2018/07/04
ズマ
5
改めて、こどもを教えるということは非常に難しい、重要な仕事であるということを実感した。 自分は教師ではなく一介の塾講師(しかもアルバイト)であるが、子どもの人生に影響を与えるという点では変わりない。 教えるためにはまず教える側が勉強しなければならない。子どもを一人一人対等な人間として扱うこと。常に真剣勝負でいること。2013/01/20
ずず
4
平易に書かれているけど、ぐさっと刺さる。反省反省2018/02/23
野良コアラ
4
教育に関する本というのは意識して読んだことがありませんでしたが、本当に大変なんですね、教師という職業は。・・という幼稚な感想しか出せないほど、教師は難しい仕事だと思う。「~なさい」と言うのは誰にでもできることであって、この言葉を使わずに自然とさせてしまえる技術、というか対応。それは教師だけでなく、親とか上司・先輩といった立場にも通じることかもしれない。脱帽。2017/05/20
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