内容説明
「あらゆるものがつながっている」大地に生きるすべての者たちに贈る、美しい言葉。今も語り継がれる伝説的スピーチを絵本に。
著者等紹介
寮美千子[リョウミチコ]
1955年、東京に生まれ、千葉に育つ。1986年、毎日童話新人賞を受賞、作家活動を始める。1992年、アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を得て、アリゾナのインディアン居留地を訪れる。1995年『父は空 母は大地 インディアンからの手紙』(画・篠崎正喜)を出版。これをきっかけに日本の先住民であるアイヌ民族に興味を持ち学び始める。2005年、泉鏡花文学賞を受賞。翌年奈良に移住してからは、日本の古典絵巻や古事記を題材とした本も制作している
篠崎正喜[シノザキマサキ]
1945年生まれ。絵画、金属立体、イラスト、デザインと幅広く活躍している。絵画では、リキテックスビエンナーレ第4回奨励賞、第6回特別賞、第8回奨励賞を受賞。彫刻で、アラカワアートフェスティバル特別賞を受賞。1989年東京国際映画祭、劇団四季ミュージカル『嵐の中の子どもたち』、『冒険者たち』、『魔法をすてたマジョリン』など6作品の他、2006年国際ボートショー、1985~90年にかけて劇団七曜日などのポスターも手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
99
隙間時間に読めるかと手に取ったけど、心を鷲掴みにされてその後の仕事に差し障りが出るほど泣いてしまった。アメリカの侵略によって追い立てられたシアトル首長のスピーチに、力強く美しい絵が添えられたもの。これは購入しなくては。2017/10/06
モリー
59
アメリカに伝わる「シアトル首長のスピーチ」を紹介する絵本です。その中の一節を引用します。「大地は わたしたちに属しているのではない。わたしたちが大地に属しているのだ。」この言葉は寮美千子さんの言葉を借りれば、「大地に生きるあらゆる生き物たちとの共生の思想、エコロジーの基本を語る普遍的な言葉」であると思います。アメリカ先住民であるシアトル首長が時のアメリカの大統領フランクリン・ピアスに伝えてほしいと、行ったスピーチが今に語り継がれてきました。空や大地、風の匂いや水のきらめきが、何故お金で買えるというのか。2020/02/06
りー
22
「シアトル」が人の名前だったと初めて知った。戦いの後、白人たちに土地を明け渡し、居留地へ移り住むことを承諾したスクオミッシュ族とドゥワミッシュ族連合の首長の名前。彼は土地を明け渡す前に、白人たちへ向けて演説をした。その深く愛と哀しみに満ちた内容は、鋭い刃のように私たちの心を穿つ。「私たちが愛したように、この大地と空を愛してほしい」。星野道夫さんが、尊敬する首長に「あなたたちは、魂の話をなぜしない」と言われたエピソードを思い出した。見て見ぬふりをしているものの中にこそ真実はあり、虚無はそこからやってくる。2023/11/14
おはなし会 芽ぶっく
11
単に親をテーマにした本ではありませんでした。迫害されたインディアンの酋長のスピーチが描かれています。空も大地もみんなに平等なはずなのに…。ずっしりきました。2019/05/31
おーちゃんママ
7
旧版を知らなかったのですが、現代に生きる私の心にもずっしり響きました。2016/05/28