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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tui
25
『ノンフィクションというのは結局「目」だ』。こう言い切るノンフィクション作家、井田真木子。44歳の若さで病死した彼女が見つめたのは、女子プロレスラー、ゲイ、新興宗教教祖、村上春樹、など。彼女は「目」となり、語りかけ、彼らの目を通して本質をさぐり求め、心の奥底に静かに燃えたぎるつぶやきを引き出す。たとえそれを知ったところで、決して心穏やかにはなれず、悩みを理解し共有することさえ叶わぬ相手であったとしても。魂の充足を得るために、自身の魂を削ってでも書かずにいられなかったのか。その矛盾を思うと切なくなる。2015/03/20
おおにし
14
東京ポッド許可局でプチ鹿島さんが薦めていた本。「プロレス女子伝説」だけ読もうと思っていたが全編読了。2段組み576ページを読み終えるのに10日間以上かかった。女子プロレスや同性愛者というテーマは特に興味があったわけではないが、井田さんの文章からは読む者を最後までぐいぐい引きつけるパワーが出ていて途中で投げ出すことができなかった。こんなすごいルポを書き続けていたらそりゃあ長生きできないだろうと思う。「かくしてバンドは鳴りやまず」はこれから面白くなりそうなところで絶筆となり大変残念。2015/12/11
とよぽん
13
以前、新聞の書評欄で井田真木子という作家のすごさが書かれていたことに興味をもち、図書館に予約して。病気のために44歳で亡くなったとは、非常に残念なことだ。井田さんは[差別]に対して、被差別者(取材対象)に伴走しながら複眼的に事実を書いた人だったと思う。第2集も読みたい。そして、彼女の生きた足跡も知りたい。2015/10/27
パブロ
13
「井田真木子はスゴいよ」と聞いていはいたけど、著者の死後、あっという間に著書がほぼ絶版。残念に思っていたら、こんな選集を出してくれるなんてありがたや〜ありがたや〜。それにしても何だろう、この焦燥感を伴うヒリヒリした文章は。取材者が被取材者とともにのた打ち回る。だからこそ読んでいる私は、その場の情景をしっかりと思い浮かべることもできるし、取材されているマイノリティな人々にすんなりと感情移入ができる。体当たりではなく、体ごと内面まで移入って感じのノンフィクション。こういう本はめったにお目にかかれない。2015/05/20
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
8
なんと壮絶な生き方、死に方をした人だったのか。彼女に向き合ってもらえて引き出してもらえた人たちは幸せだ。いっぱい気づかせてもらえたことだろう。2015/12/25