内容説明
世界を驚かせた明治の細密工芸美術の世界。世界一のコレクターによる初の講義録。
目次
序章 超絶技巧の世界へようこそ―明治工芸全般の解説と、村田コレクションの成り立ち
第1章 漆工―世界を魅了した漆の国の細密工芸
第2章 金工―鍛錬を極めた刀装金工たちの至芸
第3章 七宝―明治ニッポンが生んだ新工芸
第4章 京薩摩―万博の時代に世界を驚倒させたやきものの寵児
第5章 彫刻―工芸と美術、二つの頂点を極めた明治の彫刻
第6章 印籠―凝縮された江戸の洒落と粋
第7章 刀装具・拵―千年の武を荘厳する美
第8章 刺繍絵画―一刺し一刺しの光と影が映し出す森羅万象
中国語抄訳(中文節譯)
著者等紹介
村田理如[ムラタマサユキ]
1950年京都市生まれ。清水三年坂美術館館長。並河靖之有線七宝記念財団理事。1980年代後半、出張先のニューヨークのアンティーク店で出会った幕末の印篭をきっかけに、幕末・明治期を中心とする細密工芸の収集を開始。明治工芸の優れた作品の大半が海外に流出していることから、当初から海外オークションなどでの買い戻しに尽力。2000年9月、京都・東山区に清水三年坂美術館を開設し、今日、幕末・明治期の細密工芸分野における世界的コレクターと称されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
3
近年高評価されるようになった日本の超絶工芸の殿堂、清水三年坂美術館館長による作品講義本である。寸角に神技を尽くし美の極致を表現した工芸の素晴らしさを初心者にもわかりやすく説いている。値段は少し張るけれども、兎に角明光の饗宴と言う他なし。村田理如先生の開拓した沃野はこれからどんどん研究が進むであろう。刺繍絵画は余り展示を見に行かなかったが、これからは積極的に見に行きたいと思う。なお、年に4~5回は見に行っています、京都に住んでてよかたと、少し幸福な気分になった。年内は後2回ほど訪問するつもりです。2017/10/15
才谷
1
超絶技巧の数々、現代では失われた技術も多くこれらを超える作品はもう生まれることはないのだろう。残された作品も日本を離れ海外に渡ってしまっているのだから、お目にかかることも難しい。2017/09/25