内容説明
「〈歴史的権利〉とは、過去になされた暴力の権利でしかない。」ポーランド人の言語学者は、なぜロシアからの独立を望まなかったのか。帝国、マイノリティ、宗教の共存、そしてユダヤ人問題からウクライナまで―100年前に現代の混乱を予言した画期的論文集。訳者解説付き。
目次
第1部 ウクライナについて(民族を超越した視点からみた〈ウクライナ問題〉)
第2部 自治の面からみた民族的特徴と地域的特徴(自治の面からみた民族的特徴と地域的特徴;嘆願書ほか)
第3部 民族の平和的共存について(ロシアにおいて民族の平和的共存は可能か;無民族であることと多民族であること)
第4部 文学と言語(トルストイに関する断片的覚書;レフ・トルストイと〈死刑〉;エスペラント)
補遺(昔々あるところに…(ヴィクトル・シクロフスキー)
ソシュールとボードアン(桑野隆))
著者等紹介
ド・クルトネ,ヤン・ボードアン[ドクルトネ,ヤンボードアン] [de Courtenay,Jan Baudouin]
1845‐1929。言語学者。帝政ロシアの分割領であったポーランド王国で生まれる。ワルシャワ中央学校で言語学を修めたのち国内外で研究を重ね、1875年にカザン大学に就任。その後もロシアとポーランドの各地の大学で多くのすぐれた言語学者を育てた。その斬新な言語理論ゆえに、ソシュールと並ぶ構造主義言語学の先駆として高く評価されている。民族問題を中心とする社会問題についても活発に発信していた
桑野隆[クワノタカシ]
1947年、徳島県生まれ。元早稲田大学教授。専門はロシア文化・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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