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出版社内容情報
ソクラテスの対話をやりなおす――
哲学と芸術の根本に立ち返った本格対談集
東浩紀が2012年以降に行なった対談・鼎談から、
哲学と芸術をテーマとするものを厳選し集成。
文化が政治に従属し、人間がデータに還元される時代に、
「対話」というもっとも古く原始的な方法で人文知の再起動に挑む10章。
飴屋法水・柳美里との語り下ろしを加えた決定版。
【目次】
はじめに
草木の生起する国 梅原猛
テロの時代の芸術 鈴木忠志
SFから神へ 筒井康隆
種の慰霊と森の論理 中沢新一
文学と政治のあいだで 加藤典洋
正義は剰余から生まれる 國分功一郎
デラシネの倫理と観光客 五木寛之+沼野充義
歴史は家である 高橋源一郎
国体の変化とジェンダー 原武史
生きることとつくること 飴屋法水+柳美里
著者紹介
東浩紀(あずま・ひろき)
1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。
専門は哲学、表象文化論、情報社会論。著書に『存在論的、郵便的』(1998年、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(2001年)、『クォンタム・ファミリーズ』(2009年、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(2011年)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(2017年、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(2019年)、『テーマパーク化する地球』(2019年)ほか多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
43
誰でも知っている大家との対談で、浅田彰を除外して加藤典洋を収録したことに代表されるように、考え方が大分違いそうな、ちょっと遠い人物たちとの対談になっています。例えば、鈴木忠志は東を完全に信用していない素振りで、東はホストとして鈴木に問う対場というより、この場を設定した意味を逆に鈴木から問われる立場に追い込まれているようにみえます。ところが、緊張感のある相手と会って話をすることによって生み出されるものに着目するすると、そこまで深くなさそうな対談も東が行っていたゼロ年代批評やその系譜を継いだ人たちの同質性への2020/05/04
田氏
17
脳は意識下で思考するよりも0.2秒先に判断を下している、という実験結果がある(Libet et al,1983)。それと関係あるかはわからないが、自分が誰かの論に賛否の判断を下すとき、それに先立って原始的な好悪感情があるのを自身で感じる。「誰が、どのように、何を言ったか」という情報は、まず「誰」で大まかにふるい分けられ、「どのように」のフィルターを通し、ようやく「何を」を認識するために意識が腰を上げる。この本には自分が好感をおぼえる言葉が多く記されていたけれど、そう評価した自分は「何」を読んだのだろうか?2020/10/09
またの名
11
「知識や分析なんてなんの役にもたたないのではないかと、そのように考えるようになってしまった。放送はさまざまなひとが視る。彼らの多くは哲学の歴史などなにも知らない。その彼らの願いに触れることができずして、なにが言論だろうか」と一時代を担った思想家に言わせてしまう状況こそ緊急事態。概念や情報がさまざまな経路でさまざまに届く誤配を狙う場所では、筒井康隆断筆宣言は存在しない、フランス流テクスト論の欠点、誤配だらけの日本国憲法、作家自身がひっそり隠してる外傷体験等フォーマルには概念として残せないアイデアが沢山発生。2021/01/07
かんがく
9
哲学者の東と様々な研究者、文学者らとの対談。鈴木忠志の対談がダントツで面白い。ナアナアの馴れ合いにならず、東の質問に対して不機嫌そうに言い返す鈴木の簡潔だけど筋の通った発言がたまらない。社会や個人に対する様々な捉え方を知ることができた。2021/08/20
ぬぬよよ
9
多彩な顔ぶれの対談集。皇后論は目から鱗。2020/10/02
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