内容説明
図書館魔女があぶり出す「本」や「映画」に潜む“差別”と“不寛容”
目次
1 「本」編(フェミニズム;戦争;民族;貧困 他;受容と未来)
2 「映画」編(貧困;戦争;人種;障害者;犯罪者 ほか)
コラム 回転扉
著者等紹介
大島真理[オオシママリ]
1948年宮城県生まれ。山形大学卒業。東北大学附属図書館、91‐92年アメリカウェスト・バージニア工科大学図書館にてインターン。元東北福祉大学准教授(図書館学)、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
110
差別というテーマで本と映画を紹介している。紹介されている本は30冊。映画は24本。すでに読んだ本や見た映画も多く、感想を食い入るように読んだ。冒頭の書評は『彼女は頭が悪いから』「弱者は淘汰されるのが当然と思う思想がはびこる社会は、不健全そのものだ」と著者は述べている。そして『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読み、前著を引く。「自らが差別されないと、その痛みは理解できないのだろうか。彼らに徹底的に欠如しているのは想像力と思いやりである」と論じる。「あらゆる本には差別が隠れていると言っていい。」2023/02/20
ネギっ子gen
52
「本」や「映画」に潜む“差別”と“不寛容”を炙り出した書。図書館元司書が、本と映画を紹介することで、「フェミニズム」「戦争」「民族」「貧困」「障害者」などを60話にて考察する。著者は編集者から、「何かテーマを持って書いてみて下さい」という提案を受けた。<逡巡する間もなくすぐ決まった。社会が不安定な時に現れてくるもの、「差別」というテーマ以外になかった。あらゆる本には差別が隠れていると言っていい。その差別を生み助長するあらゆる悪の根源の戦争、それらを柱として、差別が生じる背景から本を選んだ>と。⇒2022/12/08
とよぽん
42
フェミニズムに関する書籍を探していたので、これも参考に。既読の本以外に紹介されている本、さらには映画やコラムも掲載されていて予想以上に収穫があった。シリーズのような司書魔女の作品があるようで、見つけたら読んでみたい。2022/10/29
TATA
39
図書館に立ち寄った際に目に留まったので拝読。書籍と映画のレビュー集。フェミニズムや差別をキーに選択。この手の本を読んであらためて読みたい本を見つける僥倖。たまにはこういったテーマを絞った書評集もいいなあと。2023/01/08
蒼
27
新刊紹介棚にあって、図書館を舞台にした物語?と思って借りてみたら、書評家による本の紹介本だった。差別や偏見に苦しむ人々や女性蔑視から自立する人々の生き方を描く本が沢山あった。2022/09/08