出版社内容情報
私はそんな自分の喉を切り裂いてもらいたい。そして……
(G・バタイユ著、酒井健訳「太陽肛門」より)
▼内容
バタイユによる異端の小文。
自ら「病的な人間」だったと回想する時期に書かれた。
カトリック信仰を棄てたバタイユは、陽気で破廉恥に生きたいと願う。
ニーチェやベルクソンを経て笑いによる脱自を意識し、かけ離れた存在の間にもエロティックで豊かな生の交わりの可能性を模索する。
「ヒロシマの人々の物語」「魔法使いの弟子」と同様、バタイユのテクストをひとつにしぼって新しい訳と解題で紹介。
▼目次
「太陽肛門」 2-
「訳者解題」 22-
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▼冒頭
「太陽肛門」
世界が純粋にパロディであるのは明白なことだ。つまり人が目
にする事物はどれも他の事物のパロディなのである。…………
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「訳者解題」
1. ある役者の話から
いきなり下の話で恐縮だが、30年以上も前にラジオで聞いた
役者の言葉が心に残っているので取り上げてみたい。
伊東四朗という喜劇役者が修行時代のことを振り返ったとき
に紹介した師匠の言葉である。
下町の演芸場に出るのがやっとといった喜劇の一座に入りた
てのころ、座長でもある彼の師匠は、若い彼に、ことあるごと
に目を真ん丸にしてこう説教した。…………
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「太陽肛門」 2-
「訳者解題」 22-
ジョルジュ・バタイユ[ジョルジュ バタイユ]
著・文・その他
酒井健[サカイタケシ]
翻訳/解説
Georges Bataille[ジョルジュ バタイユ]
原著
内容説明
バタイユ29歳、図書館司書。陽気で、破廉恥に生きたい「病的な人間」だった頃。バタイユ自身が「病的な人間」だった時期と回想する1927年執筆の小作品。「太陽肛門」ひとつにしぼって、作品とバタイユの思想を紐解く一冊。
著者等紹介
バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ] [Bataille,Georges]
1897‐1962。二〇世紀フランスの総合的な思想家。小説、詩も手がける。エロティシズム、芸術、宗教、経済など、人文系の多様な分野で尖鋭な議論を展開した
酒井健[サカイタケシ]
1954年東京生まれ。現在、法政大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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