出版社内容情報
木皿泉さん(脚本家)推薦!注目の漫画家関根美有、「白エリと青エリ」完結編含む最新作品集。仕事について考えていた高校生のエリ。やがて世界も、働くこと自体も変わっていった...。予想外の結末を迎えた労働系大家族漫画「白エリと青エリ」完結編。 悩み多き青葉子の、妊娠中の形容しがたい不安や揺れを描いた出産漫画「育む茶室」ほか1編を収録。
現実を見据えながら意表をつく世界観、ふいに放たれるきらめくことば、唯一無二の画風。
今読みたいものをかるがる紡ぎ出す、孤高の漫画家関根美有の最新作。
白エリと青エリ 17話~32話
育む茶室
彼女のしごと
あとがきまんが・エリと青葉子とマミさん
関根美有[セキネミユウ]
1977年仙台市生まれ。秋田公立美術工芸短期大学卒業。ロッキング・オン『H』『コミックH』等に連載(現在は終了)。2012年アックス新人賞 佳作受賞。現在は、ほのぼのとした漫画を描きながら、堅めな本の図版やイラストも作成。兼業漫画家として、出版社やパン屋などさまざまな職業を経験。現在『月刊ミステリーボニータ』(秋田書店)で「タピシエール」を連載中。著書に『白エリと青エリ1』(タバブックス)『はびこる愛』(シカク出版)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぷほは
3
こーいう状況下で読むのに相応しい本を発掘できた。マルクスの自然/社会の区別を批判した人、コゼレック『危機と批判』におけるハーバーマスの応答、レベッカ・ソルニットの災害ユートピア。未来、意志。そーいうことをぼんやり考えていたら手に取っていた。深く長く、広く大きく、思考を伸ばし続ける開放感など持ちようもない自粛要請の時期の渦中、どこまでも生活に根ざしたまま内側に潜り込んでいくやり方もあることを、忘れないようにしておこう。もちろん首から下も動かしながら。誰かと話すこと、自分の考えを聞いてもらうことも遠慮なしで。2020/04/19
ぷほは
1
『江口くんは見逃さない』の次がコレかよ、と他の誰でもなく自分にツッコまれそうだが、こんなん泣くわ。アレントの哲学がとても根源的な水準で進むのに、いつまでも日常の地平から離れないのはなぜかということに対する一つの回答=実践であるかのようだ。美しいのは花ではなく時間であり、忘れたことを忘れないための鍵は未来にあるのである。勢いと戯れ100%で神様が人間を作ったのだとしても、人間だって何かを作るときに気持ちを込めない自由はあるし、それに気づくのが意志なのだよ。場所はどこでもいい、台所でもタイプライターの前でも。2017/11/21
たら
1
働くということに対してエリが家族を通していろいろ考えていく様子がある種哲学のようにつづられていた。 昭和のマンガのようなタッチでありながら現代をさりげなく切り取っていて こちらも考えさせられる。 でもサラッと読めていい感じ。2016/12/16
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