夜光社・民衆詩叢書
ダヴィッド・ジョップ詩集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 93p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784906944170
  • NDC分類 951
  • Cコード C0092

内容説明

デビュー作を含む初期の詩篇と、生前唯一出版された詩集『杵つき』の計二二篇の詩の他、フランス語表現の黒人創作者という自らの立場の矛盾、葛藤を超えてアフリカ独自の文化創出を構想する詩論「国民詩論争への寄与」等の散文四篇を収録。また、日本ではほとんど知られていないこの詩人の生をたどった編訳者書き下ろしの評伝を加えた、ダヴィッド・ジョップ詩集の決定版。

目次

ダヴィッド・ジョップ(レオポル・セダール・サンゴール)
初期五篇(一九四八)(殉教者の時;すべてを失った者…;こらえてみろ哀れなニグロよ ほか)
詩集『杵つき』(一九五六)(わが母に;ハゲワシども;本当の道 ほか)
散文(一九五三~五九)(植民地の事実に直面するアフリカ人学生;バンドン会議についてのアフリカ人の証言;国民詩論争への寄与―黒人諸人民における国民詩の条件をめぐって ほか)
解説と資料

著者等紹介

ジョップ,ダヴィッド[ジョップ,ダヴィッド] [Diop,David]
1927年、ボルドー生まれ。アフリカの詩人。1960年、飛行機墜落事故で死去。享年33歳。詩集に『杵つき』(プレザンス・アフリケーヌ社、1956年)がある

中村隆之[ナカムラタカユキ]
1975年、東京都生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程修了(学術博士)。現在、早稲田大学法学学術院准教授(フランス語・教養科目担当)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロビン

19
ボルドー生まれでセネガルやギニアで活動し、33歳で飛行機墜落事故により死去したアフリカ詩人ダヴィッド・ジョップの詩集。「こらえてみろ哀れなニグロよ」など22の詩篇と「植民地の事実に直面するアフリカ人学生」など4の散文、小伝や図版などの資料が収められている。「白人は親父を殺した 親父が気高かったからだ・・」というように、芸術性を持ちながらもストレートな植民地主義への怒りが表現された詩が多い。そんな彼でも「トゥバブ(白人や同化したアフリカ人を指す蔑称)」と揶揄もされたという。精神的な植民地化は他人事ではない。2020/07/29

スミス市松

13
苦難にあえぐアフリカ黒人民衆の意識に同化しつつ、腔内に生じる苦味が「なぜ」という疑問を生み出す。歴史を遡行し怒張する民衆のイメージとリズムが詩行に重ねられ、瞬間、沸騰し渾然したそれは反抗の意志として浮上し、テキストに一点の孔穴を穿ち去って行く。この見出された通路こそダヴィッドの詩がもつ公共性だ。「消滅する媒介者」としてダヴィッドは読者が彼自身を乗り越えていくことを求めた。彼の詩を読み終えるとき、私は通路の終点に立っていることを自覚する。その道が万人に開かれていることも。杵つきの音は今もなお紺碧の空に響く。2020/05/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13665355
  • ご注意事項

最近チェックした商品