内容説明
複雑な社会・自然・生命等の諸現象を解明するため、モデルを構築し、シミュレートするのが「現象数理学」である。これまで数理とは無縁と思われていた多様なテーマをめぐり、第一線で活躍する7人の研究者が語る、現象数理学の現在。
目次
第1章 拡散パラドックスの数理―ある数学者の挑戦
第2章 立体知覚と錯視の数理―人は欠けた奥行きをなぜ補えるのか
第3章 先史文化の数理―ネアンデルタールからヒトへ
第4章 地球科学の数理―地震・気象・磁場
第5章 金融危機の数理―最適モデルをどう作るのか
第6章 タイル貼りの数理―位相的結晶学序論
第7章 折紙技術の工学への応用
著者等紹介
三村昌泰[ミムラマサヤス]
1941年生まれ。明治大学研究・知財戦略機構特任教授、先端数理科学インスティテュート所長、グローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」拠点リーダー。工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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M氏
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手強かった。。。拡散パラドックス(チューリングによる生物学の仮説。キリンや豹など、動物の模様の発生メカニズムの説明)は目から鱗。この原理は経済学にも適用できそう。ほか、立体の知覚・錯覚、ネアンデルタールとヒトの文化から見る、イノベーションや文化的進歩(と退行)が如何にして起こり得るかの話。地震や気象の数理学。金融商品が正規分布の前提で作られていることへの警鐘(CDSが次の金融危機の引き金になる?)、折り紙技術の工学への適用事例など…。 20年後、今の世の中の前提は様々な形で覆ってそうだな、なんとなく。2016/12/05