内容説明
ビリー・ワイルダーは単なる“巨匠”ではない。彼はコメディー、法廷劇、政治風刺、戦争映画など作品ごとに異なったジャンルに挑み、いずれもすぐれた成果をあげた稀有な映画作家なのだ。観客に気づかれにくいレベルで多くの仕掛けを施し、緻密に物語世界をつくり上げた監督・脚本家ワイルダーのテクニックの深層に迫る。
目次
第1章 アルコール依存症の映画『失われた週末』(一九四五)
第2章 法廷劇『情婦』(一九五八)
第3章 ロマンティック・コメディー『麗しのサブリナ』(一九五四)
第4章 ハリウッドの裏側を描く映画『サンセット大通り』(一九五〇)
第5章 戦時下の“変装”の映画『少佐と少女』(一九四二)
第6章 政治的風刺映画『ワン、ツー、スリー』(一九六一)
第7章 ファンを惹きつけるおなじみの要素
著者等紹介
瀬川裕司[セガワユウジ]
明治大学国際日本学部教授。専門は映画学・ドイツ文化史。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。横浜国立大学教育学部専任講師、同助教授、明治大学理工学部助教授、同教授、ベルリン自由大学客員研究員を経て2008年より現職。文学博士。著書に『美の魔力―レーニ・リーフェンシュタールの真実』(パンドラ、文化庁芸術選奨新人賞)などがある。2003年ドイツ政府フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
3
『少佐と少女』や『ワン・ツー・スリー!』についての詳細な解説はほかに類書がないのでは? そういう意味で嬉しかった。ただ、ワイルダーは主演スターをからめた楽屋落ちパロディを織り込む監督なので、そのあたりに少し触れて欲しかった気もしますが。姉妹編も読みたいです。2020/05/03
kikizo
1
明大の教授が書いた「ビリー・ワイルダー」の解説書。6作品を丁寧すぎるほど丁寧に分解し解説しています。読んでから観るか、観てから読むか!どちらが先でも十分楽しめます。しいて言えば、教授だからか、文章が堅い。もう少し表現を柔らかくするとさらに読みやすくなるだろう。姉妹書「ビリー・ワイルダーのロマンティック・コメディ 『お熱いのがお好き』『アパートの鍵貸します』『昼下りの情事』」も読もう!2012/06/13
-
- 電子書籍
- 神望町つくも神小学校 新米先生はじめま…