出版社内容情報
〈従軍慰安婦〉〈戦時性的強制被害者〉問題を初めて正面から扱った衝撃の小説!
戦時下の一人の女性・淳花(スンファ)の人生を生々しい筆致で描く、フィクションを超えた歴史の真実。
『週刊金曜日』好評連載を大幅加筆。
【著者からのコメント】
小説はフィクション。でもフィクションの中に、真実が隠されている。
この小説は、私にとって特別な小説です。
【著者紹介】
1936年、大阪市東成区生まれ。作家。各地を放浪し、タクシードライバーなど多くの職に就く。
『タクシー狂躁曲』でデビュー(のちに、『月はどっちに出ている』というタイトルで映画化)。
主な代表作に、第11回山本周五郎賞を受賞した『血と骨』、『ニューヨーク地下共和国』、『闇の子供たち』
などがある。
内容説明
蹂躙された生。消すことのできない記憶。「従軍慰安婦」の苛酷な運命と真実が、いま明らかになる。
著者等紹介
梁石日[ヤンソギル]
1936年大阪市生まれ。作家。『血と骨』で第11回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
50
いわゆる「従軍慰安婦」を主人公にすえたフィクション。この本の中では、主人公に起こる数々の出来事が、自分の想像をはるかに越えてこれでもかこれでもかと言葉になっていて、読むのがしんどい。彼女たちの置かれた状況が過酷すぎて、本当のところはどうだったのかと素直に受け入れられないのは私が日本人だからか?いや、こんな事が現実にあったんだろうと、揺れる。たった70年前の出来事なのに事実の認識がきちんとされていないのが残念。ちゃんと知りたいなぁ。新書などで読んでからの方が良かったかなと思う。2015/04/27
こうへい
4
読了するまで時間と根気が必要です。内容は1人の"従軍慰安婦"としての生活。フィクションと詠っていますが、モデルとなった女性は実在するらしくその方の身に起こったことは悲惨です。1日数十人の相手、妊娠3度、貧相な食事、垂れ流し等の不衛生、戦場、常に死と隣り合わせetc...人間として扱われていません。ほんの数十年前にこんなことが起きていたと考えるとゾッとします。色々なことを考えさせられる一冊でした。2014/06/22
愛奈マナ
3
戦争とは鬼畜の所業だ。戦時中の日本軍の所業は胸糞。これを読むと従軍慰安婦問題が未だに持ち上がるのもわかる。戦争の被害部分だけでなく、加害部分も学ばなければいけないなあ。2023/09/11
相田うえお
3
★★★☆☆読むべき
ハッカ飴
3
日本軍のおぞましさに吐き気を感じた。千田夏光さんの本などを読んでいたので、慰安婦にされた人たちのことはよく知っているつもりでいたが、その少女たちのうめきが耳元で聞こえるようで心が砕けるように痛かった。他国の少女たちを国家的にレイプし、人間としての最大の屈辱と恥辱を与えておいて、その歴史の真実に向かいあうことを「自虐的」であるとする人のいることを許せないと改めて思った。戦争はほんとうに最大の暴力であると思う。決して慰安所に行かなかった軍人がいたことを願う。2010/12/08