内容説明
「守り人」シリーズは、女用心棒バルサが命がけで子どもを守りぬき、子どもたちが苦難をのり越えて成長する物語だ。児童文学者上橋の作品は文化人類学の識見を取り入れることによって、一段と光彩を放っている。
目次
第1章 戦後児童文学とファンタジー
第2章 『守り人』まで
第3章 『精霊の守り人』を読む
第4章 『守り人』シリーズの全体像
第5章 物語は増殖する
第6章 文化人類学者としての上橋菜穂子
第7章 物語のかなた
著者等紹介
藤本英二[フジモトエイジ]
1952年生まれ。1975年より兵庫県の県立高校に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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仮ッ子
4
自分の意思で人は生まれて来るわけではない。それを怒り怨んでいては人はこどものまま。受け入れ、自分の生に責任をもたなければ大人にはなれない。守り人シリーズで、チャグムもバルサも厳しい運命に立ち向かい、負けるということがなかった。何かのせいにして逃げる人のなんと多いことか。さて、自分も責任を持って生きているだろうか。2010/04/07
KUAD
2
面白かった。ことばをズラして、物語を構成しているという意見がなるほどと感心できた。2012/03/21
うー。
1
上橋さんの書かれたものを深く読み込まれていることに感服。 論文など手に入るものは一通り読まれてます。2014/07/17
あい
1
上橋作品の魅力として、『単純に善悪に割り切らず「善悪の相対的な在り様」を描こうとする姿勢、あるいは「悪」との戦いではなく「状況」との戦いを描こうとする姿勢』というところにこれだ! と納得。西洋物しかあまりハイファンタジーとは呼んでないイメージがあったけれど、守り人シリーズは筆者によるとハイファンタジーだそうでなんだかうれしい。2014/05/22
さやまめ
1
守人シリーズをより理解できる本。 児童文学やファンタジーの分類の話も面白かったです。やっぱりハイファンタジーが大好きです!2011/07/11