内容説明
優れた芸術作品はどのようにして生み出されるのか?そのプロセスには、ある種の謎と神秘が付きまとっており、いつの時代にも、創造の秘密は、最も興味をそそられる事柄の一つである。著者は、美術家の創作行為に焦準を合わせ、人間精神の根源を見詰める、ゆるぎないまなざしをもちながら、創造の核となる部分に分け入ってゆく。その、心的な存在としての人間の側と、制作に不可避のメディアと対象的世界の側を、貫き結ぶ分析の糸は、緻密である。美術作品の発端から成立までのプロセスを、総体としてとらえる本書の試みは、他に類例をみない。
目次
人間への視座、人間の視座(パウル・ヴンダーリッヒの実像;人間への視座;対置の構図―土嶋敏男「人と物(浸蝕について)」
人間の視座 ほか)
美術表現の要素と仕組み(表現対象;素材との相互作用;なぜ内的イメージは表現対象たりうるか;表現と生のベクトル ほか)
ベンヤミンのオリジナル性概念を越えて
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