内容説明
1941年、一家で満州へ移住し、小学校6年卒業後に関東軍所属の陸軍燃料廠に軍属(技術研修生)として入隊。厳しい軍事教練と合成ガソリンの実験に励む13歳の少年は、ソ連侵攻に伴い関東軍の兵士に任命された。連絡兵として駆け回る中で敗戦を迎え、ソ連軍収容所での重労働、シベリア送りの奇跡的な回避、八路軍の使役という激烈で数奇な運命を乗り越えて1946年7月、引揚げを果たした。戦時における人間の理非曲直を少年の目で捉えながら、歴史の暗部「少年兵」の存在を明らかにする。初版後の調査「シベリアへ送られた少年と関東軍」を増補。
目次
1 陸軍燃料廠関東軍満州第二三八部隊(陸軍燃料廠;開戦前夜日本の航空燃料の実情 ほか)
2 満州第十九部隊貨物廠収容所(脱走者の身代わりに収容所行きの指示;ソ連軍の収容所へ ほか)
3 遼北省立油化工廠(東門街の生活;燃料調達と商売 ほか)
4 黄土の地よさらば(居留民会の連絡員;初めてのアイスクリームと間宮との再会 ほか)
増補 シベリアへ送られた少年と関東軍(シベリア抑留者の新資料発見される;在満邦人シベリア抑留の根拠と発端 ほか)
著者等紹介
山岸重治[ヤマギシシゲジ]
1931(昭和6)年長野県上水内郡神郷村(現長野市)に生まれる。1941年家族と共に満州国開原市に移住。1944年満州国郭家店在満国民学校六年卒後、四平市所在陸軍燃料廠(満州第二三八部隊)技能者養生所入所。1945~1946年ソ連軍収容所を経て中国内戦に参加後引揚げ。1947(昭和22)年国鉄に就職し運動部と労働組合文化活動に参加。1981年国鉄退職以後タクシードライバー、建設現場監督、ボイラーマン、テレビ局電気管理等に就業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。