目次
1 近世日本と懐徳堂
2 懐徳堂の成立
3 学問所「懐徳堂」
4 学問所「懐徳堂」の終焉
5 懐徳堂の思想と近代
6 懐徳堂の遺跡と遺物
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
5
大正時代設立の「懐徳堂記念会」を支援する「懐徳堂友の会」が昭和58年の発足から10周年を迎えた事を記念して出版された図録。先日、今年出版された図録のレヴューを書いたが、私にはこの「浪華の学問所」の方が有益だった。「懐徳堂の至宝」はほぼ懐徳堂に話を限定しているが、「浪華の学問所」は寛政異学の禁や昌平黌との関わり、蒹葭堂や混沌社、頼春水・山陽との関係などの周辺知識が豊富なので、この時代の文化全体の中での懐徳堂が少し見える気がする。それにしても第二次世界大戦中も授業を続けたという懐徳堂、息の長い活動に敬服する。2016/11/02