出版社内容情報
小学校でのいじめを経て成長した二人はプロレスのリングに上がる。天性のスターか不遇のヒーローか。想いを乗せたゴングが鳴る。
内容説明
小学校の同級生・大河と虎太郎はプロレスを通して仲良くなるが、ある事故を機に離れる。その後、大河はトップレスラーへの道を駆け上がり、虎太郎は教師から悪役レスラーに転向する。様々な痛みを知り過去を乗り越え、強さとは何かを求め続ける二人はやがて―。困難に立ち向かう全ての人に贈る青春小説!
著者等紹介
行成薫[ユキナリカオル]
1979年、宮城県生まれ。東北学院大学教養学部卒業。2012年『名も無き世界のエンドロール』(『マチルダ』改題)で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
47
東京ドームでの大歓声、過去など関係無く闘う大河と虎太郎。2人の熱い勝負をいつまでも観ていたい。とても楽しめた作品。2021/12/28
nemuro
47
初遭遇の作家。凛とした表紙イラストに惹かれての購入。「困難に立ち向かう全ての人に贈る青春小説!」にしてプロレス小説。かつて激しくプロレスファンだった者として文句なしの面白さ。30年以上前、プロレス界にあって“北の聖地”と称された札幌・中島体育センターに住まいが近く、群雄割拠の時代、各団体に足を運んだ。その後、帯広に転勤したのだがまたまた住まいの近くに帯広市総合体育館。毎週、活字で魅せる「週刊プロレス」を熟読の上、女子プロレスを含め可能な限り参戦!解説・大矢博子氏の言う「筋書きのある真剣勝負」は全く正しい。2021/07/24
horihori【レビューがたまって追っつかない】
33
小学生の御子柴大河と小林虎太郎はプロレスを通して仲良くなるが、虎太郎へのイジメがきっかけで離れる。その後、大河は日本最大のプロレス団体のトップレスラーへの道を駆け上がり、虎太郎は「イジメ撲滅」を標榜するインディープロレス団体から悪役レスラーに。様々な傷みを知り、過去を乗り越え、強さとは何かを求め続ける2人は、やがてリングで再会する。歩んだルートは違えど、プロレスに真摯に向かい合った2人の熱い想いに火傷しそうだった。とても面白かった。2021/09/20
三代目けんこと
31
自分の中では、メイン・イベンターのところが、一番盛り上がったかな…。2021/06/20
さくら★もち
28
明るく人気者の大河と気が弱くいじめられっ子の虎太郎。プロレスが繋いだ友情が、弱さ故に招いた事故により壊れる。その後悔から逃げずにメジャーとインディーそれぞれのフィールドでプロレスを続けてきたふたりの生き様と強くありたいと願う気持ちがビシビシ伝わってくるプロレス小説。試合の臨場感がものすごく、技の応酬が目に浮かぶ。マッチメイクの奥深さ、プロレス団体の経営の難しさなども妙にリアリティがあって面白かった。何度倒れても立ち上がり、客を魅了するプロレスラー達は肉体的にも精神的にも強い。やっぱりプロレスが好きだ!2021/09/18