内容説明
ここはお国を何百里…、「戦友」の作詞者、真下飛泉の若き日々。国家主義の台頭する時代に、戦場における生命の尊厳を謳いあげ、反骨精神を貫いた明星派の歌人・真下飛泉の青春、与謝野鉄幹・晶子らとの交流を描く。
目次
第１章 めざめ
第２章 友情
第３章 『よしあし草』の人々
第４章 帰郷
第５章 学びの絆
第６章 『明星』創刊
第７章 波瀾
第８章 それぞれの恋
第９章 軍靴のひびき
第１０章 戦友
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴっちゃん
1
30年ぐらい昔、週刊紙連載時に読んでいたものを、最近訳あって再読。今や絶版だがすごく良い作品なのでぜひ復刊してほしい。明治時代京都の北部の山間の地で育った少年・瀧吉が、貧しさ故いったんは丁稚奉公に出るものの、その才を惜しんだ周りの人々の助けを借り、京都師範学校に入学。苦学しつつも文学に目覚め、後に文名高くなる若き友等と語らい、やがて小学校の教員に。台頭しつつあった国家主義的教育ではなくヒューマンな教育を目指す。「ここはお国を何百里・・」「戦友」の作詞家として知られる真下飛泉の若き日を描く歴史小説。2018/03/20
