感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅独歩
1
山本素石が亡くなったのは1988年だから、1985年発行のこの本は最晩年のものといえる。もっとも再録が主なので、お馴染みのツチノコ譚も登場する。すこしずつ加筆・削減されているので読み比べるのも一興。昭和40年の時点で、すでに「人と山の関わり」はひとつの死を迎えていた事がわかる。なくしたものを振り返るだけのセンチメンタリズムにどれほどの意味があるか判らないが、なくした事すら知らないのは罪である。今の我々の住む世界が、いかに脆い土台の上に立っているか――それを自覚するためにも、読むべし、 山本素石。2013/06/14
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