インド=ヨーロッパ諸制度語彙集 〈1〉 経済・親族・社会

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インド=ヨーロッパ諸制度語彙集 〈1〉 経済・親族・社会

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  • サイズ A5判/ページ数 387p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784905913245
  • NDC分類 801.09
  • Cコード C3020

出版社内容情報

【第23回日本翻訳出版文化賞受賞】 西欧世界の基底の観念=言葉を形造ってきた無意識の構造に射程をむけ、インド=ヨーロッパ語族の諸制度語彙の生成と展開を精細に追求したフランスの言語学者バンヴェニスト最晩年の記念碑的大著。
【主な目次】1.経済(牡と種畜/羊とホメーロス時代の経済/家畜と財産/贈与と交換/与えること、取ること、受けること/客人歓待制度/個人的忠誠/購入と買い戻し/無名の職業、商業/勘定と評価/貸借/価格と賃金/信用と信仰/貸与、借金、負債/無償性と感謝) 2.親族語彙(親族概念の重要性/母親の地位と母系出自/外婚の原理とその適用/《婚姻》のインド=ヨーロッパ語的表現/婚姻から生ずる親族/親族用語の形成と接尾辞派生/親族用語からの派生語) 3.社会規約(職能の3区分/4つの社会的な帰属圏/自由人/フィロス/奴隷、他所者/都市と共同体)

エミール・バンヴェニストは1902年にアレッポに生まれる。パリ大学高等研究院の比較言語学・イラン語学指導教授、コレージュ・ド・フランス教授を歴任。初期はメイエの指示にしたがったソグド語文書の解読、バクトリア碑文の解読などに従事、イラン学者として数多くの著作・論文を発表。やがてこれを拡張したインド=ヨーロッパ語比較言語学の研究に携わり、デュメジルとの対論によって比較神話学の決定的転回にも大きな影響を与えた。戦後の仕事ではさらにソシュールの仕事を批判的に継承しながら、一般言語学のすぐれた論考を発表、名著『一般言語学の諸問題』としてまとめられた〈邦訳(みすず書房)は原書の抄訳〉。マルセル・モースの弟子でもあったバンヴェニストは死の直前に本書を出版、言語学と社会学を統合した彼の思惟の結晶ともいえる名著である。1976年10月、パリで死去。邦訳では、他に「主要なギリシア語文献に見るペルシア人の宗教」が『ゾロアスター教論考』(エミール・バンヴェニスト/ゲラルド・ニョリ著、前田耕作編・監訳、東洋文庫)の第一部に収められている。

「これはふつうの意味の辞典ではない。いまつくられているどんな百科辞典よりも新しいスタイルをもち、来るべき時代の知性のかたちすら先取りする、まったく新しいタイプの独創的な『辞典の名著』なのである。…バンヴェニストは、言葉というものを、いつもダイナミックに自分自身を生成していく、ひとつの生きたプロセスなのだと考えていた。…彼はこの考え方を…この新しいタイプの辞典のなかでも、つらぬきとおそうとした。…印欧語を生きた人たちが意識の奥のほうでどんなことを考えていたのか、その無意識の『思想』の本質的なメカニズムをつかまえることができるようになったのだ。…これを読んだ日本史や日本語の研究者たちが、ようし自分もこんなすごいものをつくってみせるぞという気をおこしてくれることだ。」(中沢新一/朝日新聞 1986.9.1)
「ここでバンヴェニストは、いくらインド=ヨーロッパ語族に属する言語を調べてみても、『商業』にあたる経済行為を示す共通の語根を見つけ出すことができないことに着目する。…いやそれだけではない。たとえばラテン語において商業を意味する negotium という言葉を見てみよう。それはたんに暇(otium)のない(neg-)ことを意味しているにす ぎないのである。また、英語における business という言葉もたんに忙しい(busy)という意味であるにすぎない。商業を指し示すこれらの言葉がそれ自身なにも明確な意味をもっていないということは、商業というものが本来じぶんを指し示す固有の名前をもっていなかったということを物語る。事実として存在した商業が言葉として存在しないというこの矛盾。名探偵バンヴェニストはまさにこの第二の矛盾のなかに『商業』にかんする真実を見いだすのである。すなわち、『商業』とは、古代的な共同体の内部におけるあの互酬的な交換とはまったく別の出自をもっているという事実である。それは外国人や自由民といった共同体の外部の人間によって専業的に従事され、共同体と共同体のあいだを仲介することによって成立した活動なのだということである。だからこそ、それは共同体の内部の人間にとって『暇ではないこと』という否定的なかたちでしか表現しえない事柄であったのである。…『商業』という経済活動の出生の秘密は、まさにそれが名前をもっていないというふしぎな事実に隠されていたというわけでうる。」(岩井克人/読売新聞夕刊エッセイ「名探偵バンヴェニストが解く『商業の出生の秘密』~固有名称の不在でわかる共同体外での起源」1987.7.21)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いとう・しんご

8
著者最晩年の力作。第1巻は、経済・親族・社会、第2巻は王権、法、宗教に関する印欧各国語を論じつつ、語源や意味の共通性を探っていく。言語学の専門知識が無いので正直、読みづらいけれど、表土を取り除いて遺構を発掘する考古学者のように、小さなかけらから古代の姿や連関を推し量りながら、古代人のメンタリティに迫ろうとする・・・というよりも現代人の思い込みを丁寧に突き崩していくところは、とても新鮮。苦労して付いてきたカイがあったという感じ(実はついて行けてなかったところも沢山あったのだけど)。2023/06/29

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