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- > 日本の哲学・思想(戦後思想)
内容説明
偶像か?英雄か?敗戦、60年安保、天皇制、民主主義など、目まぐるしく変わる時代に、何を語ったのか。
目次
序章 戦後史ブームの積み残し
第1章 丸山眞男と戦後民主主義(与えられた民主主義;天皇制無責任体系の究明;民主主義論;一九六八年問題;「ラスキの時代」の示唆するもの;天皇制下の総力戦体制)
第2章 竹内好と中国・アジア問題(竹内の中国論の功罪;竹内思考の問題点;竹内好と雑誌『中国』;戦後の知識人と中国・アジア問題)
第3章 吉本隆明と戦後日本の革命幻想(革命幻想の鼓吹;歴史認識の特異性;情況追随と視座の固定;吉本思想の分流とその現況)
終章 「永久革命」としての戦後民主主義
著者等紹介
小林弘二[コバヤシコウジ]
1934年福岡県生まれ。1958年京都大学法学部卒業。1959‐1993年アジア経済研究所(現、ジェトロ・アジア経済研究所)勤務。1965年4月‐1967年3月アジア経済研究所の海外派遣員として香港に滞在。1977年4月‐1979年3月、スタンフォード大学のvisiting scholar。1993‐2002年、関西大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
22
本書のテーマ:戦後思想史を特殊な視角、戦後の著名な知識人が時代の要請にどう応えたかという視角から、知識人たちの言説を歴史の流れの中で検証すること(13頁)。日本の知識人は結局、国体観念に吸収されることで変身を遂げた(84頁)。鶴見俊輔『竹内好』岩波現代文庫、2010年 は読んでみたい(93頁)。日本で顕著なのは、既得権益擁護の保守党と、格差社会に対応して弱者の利益を擁護するリベラル左派の政党、という二大政党制が定着していないこと(202頁)。2015/10/26
ぽん教授(非実在系)
2
竹内・吉本=大衆的革命的ロマンへの批判がベースになっているため、著者は丸山寄りの立場であるといえる。自分などはドがつく保守反動主義者で中国韓国に対して軍拡をもって対抗すべきであると考えているため、著者の採用する立場には賛同できないが、なるほどこの立場から見るとこう見えるのかというサンプルとして大変役立つ。2016/05/11