内容説明
日本漫画家協会中国大陸育ち部・赤塚不二夫が、ちばてつやが、森田拳次が…自身の引揚げ体験を描く!
目次
上海書店の店先で煙草をすう父(高井研一郎)
中国人のお姉さんが焼いてくれたさといもはおいしかった(古谷三敏)
でっかいリュックを背負ってかあちゃんにしっかりとつかまって(赤塚不二夫)
夕陽めがけて(森田拳次)
赤い夕陽のなかをひたすら歩く(ちばてつや)
歩けなくなった人たちもいた(ちばてつや)
ハルピンから新京へ(上田トシコ)
「あら!その瞬間よ」巡回中の中国兵とバッタリ!!(上田トシコ)
葫蘆島に着いた(北見けんいち)
おふくろにリンゴを食べさせたい一心でかなりフライングして1番になった(北見けんいち)〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
19
有名な漫画家さんたちの引き揚げの記録。あんまり戦記モノで引き揚げだけをまとめたものは少ないので貴重だと思います。自分が無知なのもありましたが、「え!あんな有名な方も子供時代に引き揚げ体験をされたのか!」と驚きました。名作が生まれるのも納得です。初めて日本を見た時の美しさ、引き揚げ船に乗り込むときの気持ち、計り知れない感動と言葉にならない思いがあっただろうなと思います。2016/03/26
Takao
4
2002年に出版された、同会編『中国からの引き揚げ 少年たちの記憶』の復刻版。原作が216ページ、8000円と高価なため、普及版として引き揚げ体験を中心に編集し直されたものだ。戦争体験を語り継がなければ、という気持ちが伝わってくるタイトルである。2015/02/14
mariko
2
命がけだった中国からの引き揚げを、柔らかく描いているもの、見るのも辛くなるような真実そのものを描いているもの。 どちらも忘れてはならない真実が描かれています。 著名な漫画家達がこの本を著したことに意義があります。2022/08/27
かめあい
2
絵が皆様素晴らしい。この世代の人の絵は、画力、個性がありながら優しい。惹かれます。エピソードでいうと、船員さんにファンレター書いて返事がきて、それを今でも大事にしているのがほっこりした。2014/09/21
prefabjubilo
0
「もう10年もうすれば、引揚げ体験を語る人たちはいなくなってしまう。それどころか「今やっておかなければ引揚げ体験は永久に消えてしまう」との思いから、12人の漫画家たちが、子どもの頃の記憶を思いおこし、描き、語ってまとめた絵本です。 迫力満点の絵に圧倒されます。 満州の豚の色は黒、内陸(ないち)では白いのでビックリ! 同じ太陽でも、その置かれた状況によってこんなに気持ちが変わります。 赤い夕陽の中をどんな思いで歩いていたのかと思うと、胸が締めつけられます。2015/10/27