内容説明
行き場のない少年たちを巻き込んだ典型的なえん罪事件。1989年、東京・綾瀬。いじめに遭い、不登校となった少年たちが、軽い気持ちでついたうその証言から、彼らは殺人事件の容疑者として窮地に追い込まれる。密室で繰り広げられる、巧妙かつ恫喝的な警察による違法な取り調べから、子どもたちを守ろうとする親と弁護士たちの攻防を追う。
目次
第1章 ある日、突然、登校拒否生徒が
第2章 学校からはじかれて
第3章 九人の弁護士
第4章 代用監獄の密室で
第5章 犯人の気分になって
第6章 暴かれたアリバイ隠し
第7章 問われる人権意識
著者等紹介
横川和夫[ヨコカワカズオ]
1937年、小樽市生まれ。60年、共同通信社入社。72年に文部省(現文科省)を担当、論説兼編集委員を経て現在はフリー・ジャーナリスト。「仮面の家=先生夫婦はなぜ息子を殺したのか=」(共同通信社刊)で93年度日本新聞協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
82
2017年110冊め。シリーズ3作め。「怪しい男を見た」と言ったのはテレビに出て注目されたかったから。不登校の少年による幼稚な嘘は、彼ら自身を殺人犯として逮捕させる冤罪事件へと発展した。女子高生コンクリート詰め殺人とほぼ同時期に、同じ中学校の数学年違いでの卒業生らによって起こされたこれら二つの事件の背景には、家庭とこの体罰が横行していた公立中学校の強い影響がうかがえる。(続)2017/02/04
ナツ
2
場面転換や一人称の変化が多く、ちょっと読み辛い所もあった。しかし、昔は冤罪が多かったんだろうと思えるほど恐ろしい内容だった。本書のような明らかな場合を除き、無実かどうかの判断はやはり難しい時もあるのでは。疑わしきは罰せず!という考え方は時には大事だと思う。2014/07/19
YUSENA
1
前回読んだに衝撃を受け同じシリーズをまた一気読みした、ページを捲らなければならないような差し迫った文体で心に突き刺さる。 こちらでは冤罪の供述を強要された少年たちの親が奮起し、弁護団と共に真実を追求する内容だった。父親の子供を信じ不利な状況でも信じる心で抗う姿に涙した。2014/10/25
みひみひ
1
確かにね、えん罪なんでしょうね。でも、細かいこと読めば、知るほど、なぜ最初の時点で自白をしてしまったのか、あとの方も、取調官のご機嫌伺いのように、警察側のストーリーをなぞるように作り話をしちゃうのかそこがわからない。確かに警察の対応のひどさはわかるんだけど、でも、生育歴や虐待や不登校やいじめが原因だとはいえ、、、そこがわからなかった。でも、あとがきにもあったように、世の中少年事件にも厳しくなってるからね。難しいです。2013/02/09
ちゃびたん
0
★★★☆☆