内容説明
新興経済国「NEXT11」の一つに数えられ、経済発展と人口増加が進むバングラデシュの首都ダッカ。発展の影で深刻になっていたのがゴミ問題だった。開発途上国におけるゴミ問題には、社会、宗教、人々の習慣が色濃く反映される。収集車両や処理施設が整備されただけでは解決しない。都市によって異なる状況をひも解いて、行政と住民と民間の役割と意識と行動を変えていく、社会全体の変革を求める包括的アプローチが解決のカギを握る。この難問に真正面から向き合い、試行錯誤しながらも、クリーンダッカの実現に取り組んだ日本の専門家たちがいた。
目次
第1章 アジアに残された最大の懸念(首都ダッカは世界有数の人口密度;日本人専門家ダッカに降り立つ ほか)
第2章 プロジェクト始動(マスタープランの実現に向けた助走期間;試される「空白の10カ月」 ほか)
第3章 クリーンダッカへの道(WBAの核となった清掃事務所;清掃員向けのワークショップ ほか)
第4章 処分場の改善と行政組織の改編(悪臭を放つゴミ処分場;近代的な衛生埋立処分場に ほか)
第5章 この取り組みから学ぶこと(プロジェクトの成果;何がプロジェクトを成功に導いたのか ほか)
著者等紹介
石井明男[イシイアキオ]
大学および大学院にてシステム工学、通信工学を学ぶ。工学修士。1977年東京都に入都、清掃局に配属。以後、1988年下水道局、1992年から1995年JICA専門家としてインドネシア公共事業省に派遣、1995年東京都清掃局を経て2000年に退職。現在、八千代エンジニヤリング(株)国際事業本部に在籍
眞田明子[サナダアキコ]
大学および大学院にて土木工学(特に交通計画)を学ぶ。工学修士(計画建設学)。2002年旧国際協力事業団(JICA)入団。以後、都市環境インフラ関連の援助実務に従事し、バングラデシュ駐在の3年7カ月間に、都市環境、運輸・交通、防災等の分野を担当する。ロンドン大学にて修士号取得(MSc.Environment and Sustainable Development)。以後、環境管理、気候変動、都市開発、交通計画等の事業を担当。現在、JICA社会基盤・平和構築部都市・地域開発グループ企画役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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