内容説明
「資本」や「貨幣」の本質から、「瞑想」が持つ力までを横断的に論じながら、「ギフトエコノミー」の核となる精神性を明らかにする。
目次
今なぜギフトエコノミーか?
今なぜ瞑想なのか?
貨幣とは?―マラルメの“経済学”その1
資本とは?―マラルメの“経済学”その2
マインドフルネス瞑想とヴィパッサナー瞑想
瞑想―自己の贈与
贈与の経済学へ
エロスと普遍経済学
タントリズム―快楽の瞑想と贈与
ギフトエコノミーの精神へ〔ほか〕
著者等紹介
熊倉敬聡[クマクラタカアキ]
1959年生まれ。1991年、パリ第七大学博士課程修了。慶應義塾大学理工学部教授を経て、京都造形芸術大学芸術学部芸術表現・アートプロデュース学科教授。1980年代は、フランス文学、特に「ステファヌ・マラルメの“経済学”」を研究。1990年代は、コンテンポラリー・アートやダンスに関する研究・評論、企画、実践等を行う。2000年代は、教育現場の変革の作業を展開し、大学を地域・社会へと開く新しい学び場「三田の家」の立ち上げ・運営に関わる。NPO法人Art&Society理事、ミラック理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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taiki__ma_
2
私たちの内外に何気なく佇む今の社会システム、この得体の知れないやつの生い立ちから、それがもたらす災厄までをあらわにし、それを踏まえ、この本のテーマである新しい社会のかたち、を支える瞑想とギフトエコノミーの精神について、確かな知恵を数々の先達らと共に授けてくれます。 人生をより楽しむために、読むべき一冊だと思います。 個人的な感想としては、 この本に出会う以前から、私も筆者の望むものに似た新しい社会形態を望んでいたので、読了した後には、仲間と出会えたような気になり、嬉しさを覚えました。 2015/03/07
午後
1
マラルメから貨幣や資本の本質を読み解く、というアプローチが新鮮でおもしろかった。社会を変えるためには、背後にきちんとした精神性が必要であり、贈与経済を実現するためにはまず贈与主体を確立し、そのための考え方や実践の技法として瞑想を取り上げる。瞑想についての具体的な記述は他の著作にあるからと、この本ではあまり詳細に述べられていないのがすこし残念。具体的な取り組みの実践例なども含めて、とてもおもしろい本。2018/03/01
按摩沙弥
1
机上の経済論よりも瞑想による贈与主体の確立を。2017/03/31