内容説明
「なぜ生きなければいけないのでしょう?誰にも知られないように、この世界から消えてしまいたい」気づいてほしい。傷み、うつろう日々にも、生きていることのかすかで、そして確かな感触が君のなかにあることに―。「心の回復力」を育てる、事故と自己の現象学からの提言。
目次
序章 大学生の数奇な日常
第1章 幸福な「痛み」
第2章 「自傷」の玄人
第3章 「離人」、静けさのなかにたたずむ
第4章 ひとは「嘔吐」する
第5章 「倒錯」を友とするもの
第6章 わたしの大切な他者、「小人」
第7章 死という「コトバ」に取り憑かれる
第8章 標的に飢える「敵意」
終章 「経験の事故」のなかで、「自己」は新生する
著者等紹介
稲垣諭[イナガキサトシ]
1974年、北海道生まれ。青山学院大学法学部卒業。東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。文学博士。専門は現象学・環境哲学・リハビリテーションの科学哲学。東洋大学文学部助教を経て、自治医科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あゆ
41
大丈夫,死ぬには及ばない 面白い!学生さんとかの体験談もあったりでめっちゃ読みやすかった!2章と7章が興味深った2021/06/09
こぽぞう☆
15
哲学者・教育者の書いた、若者の精神病理?哲学の部分はとても新鮮で興味深く読んだが、精神分析を過大評価し、薬物療法を過小評価しているように思う。2016/03/05
ひなな
2
自分はどうだろうかと考えながら読んだ。 過食嘔吐、自傷行為、を深堀している内容だった。やはり、今まで読んだ本とは視点が違っていた。購入するか悩むレベルで勉強になった。新しい見方をこれからも支援について学ぶ上で身につけていきたい。2023/12/20
Hiroki Nishizumi
2
カルチャーショック。なかなか実感がわかない話が多い。井の中の蛙大海を知らずなんだろうな。2021/02/06
HolySen
2
哲学専門の先生が、授業を受けた逸脱的な学生の言葉を起点にいろいろ考える本。いろんな逸脱をした人間があまりにも数多く出てくるのでびっくりした。それだけでも読む価値ちょっとある。たぶん、①自治医大?にそういう学生が多い、②この先生はそういう学生を引き寄せる、③この先生が本音を語らせるのが上手い、の全部だと思う。そういう意味では「今、大学生に何が起きているのか」ってタイトルは詐欺では。著者の稲垣さんは様々な学生に対して、言わば準拠点を複数化させるような接し方をし、「レジリエンス」などの臨床の用語で説明している。2017/04/08
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