内容説明
マネー・マーケットと呼ばれている市場では、資本としての貨幣が商品となっており、資本の価格が利子だと観念されている。この「資本」、この「利子」とはいったいなにものか?『資本論』第3部エンゲルス版第21~24章に使われた草稿部分を取り扱うこの巻では、「利子生み資本」を概念的に把握し、利子が資本所有の果実として骨化することによる利子と企業利得とへの利潤の分割を追跡し、最後に「完成した資本」という資本の外観を引き剥がす。
目次
マルクスの利子生み資本論(マルクスの利子生み資本論;『資本論』の著述プランと利子・信用論)
第1篇 利子生み資本(「利子生み資本」(エンゲルス版第21章)に使われたマルクス草稿について
「利潤の分割。利子率。利子率の「自然的な」率」(エンゲルス版第22章)に使われたマルクス草稿について
「利子と企業者利得」(エンゲルス版第23章)に使われたマルクス草稿について
「利子生み資本の形態での資本関係の外面化」(エンゲルス版第24章)に使われたマルクス草稿について
「資本の一般的分析」としての『資本論』の成立
『資本論』第3部第1稿について)
著者等紹介
大谷禎之介[オオタニテイノスケ]
1934年、東京都に生まれる。1957年、立教大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科に進む。1962年、東洋大学経済学部助手。同専任講師、助教授を経て、1974年、法政大学経済学部教授。経済学博士(立教大学)。1992年から、国際マルクス=エンゲルス財団編集委員。2005年から、法政大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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