内容説明
イチョウは時間やどんな大変動にもたえてきました。放射能や町の公害もおそれません。イチョウの葉は秋に金色に輝き、小さな扇子のような姿をして、多くの芸術家にインスピレーションをあたえています。さあ、何千年にもわたって人間を夢中にさせてきた、イチョウのたくましい歴史をみてみましょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
26
進化論を確立したダーウィンは、長い歴史をもつイチョウに敬意を表して、「生きた化石」と呼んだそうです。銀(gin)杏(kyo)と書いてイチョウですが、長崎の出島にやって来た植物学者のケルペンが、yとgを書き間違えたために、ヨーロッパではGinkgoとして知られているようだ。この絵本は、フランスで最初に出版された本の翻訳です。この本を読むまで私は、オランダ、イギリス、フランスで見られる銀杏がかつて日本から渡った銀杏の子孫だという事実を知りませんでした。銀杏に関するトリビアが満載です。2018/09/30
ぼんくら
19
2億年以上前からずっと存在してきたイチョウの木。恐竜の全滅も見て、中国で生き残り、日本からヨーロッパへ渡っていく。そして広島では原爆に焼かれながらも翌春芽を出したという。暑さにも寒さにも、虫にも公害にも強いイチョウ。東洋風な落ち着いた絵が悠久の時を感じさせる。とてもいい本だった。2013/03/05
ゆにす
18
表紙が地味であまり期待しないで読み始めたら素晴らしい内容にびっくりです。イチョウにこんな歴史があるなんで。中国から日本そして西洋の国へ運ばれ深く愛される木になりました。イチョウの木を見るときはこれからじっくり見ることにします。銀杏大好き。2013/06/05
ヒラP@ehon.gohon
17
太古から生き延びてきたというイチョウから、様々なことを教わる絵本です。 地球の変動にも耐え、あの広島原爆においても絶えることのなかったイチョウは、東洋から世界に伝播したということに、交易の歴史も知りました。 フランス人の作者ですが、実に日本通であることや、東洋画のような絵が、この本を身近に感じさせてくれました。2018/11/26
shiho♪
15
ー「銀杏踏みて静かに児(ちご)の下山哉(かな)」与謝蕪村ー イチョウが世界で一番古い木と知ったのはつい最近でした。2012年にこんな素敵な絵本が刊行されてたのですね。文章が子どもには少し分かりづらく思えたのが残念ですが、日本にも馴染み深い木について知ることができます。 ダーウィンが「生きた化石」と形容したイチョウ。恐竜が絶滅した氷河期を乗り越え、公害や火にも強い、さらには広島に落とされた原爆でも生き残ったと言うから驚きです。 おめでたい扇の葉からは強い生命力を感じます。秋の黄葉が楽しみです。2023/05/14
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