内容説明
幻い花売り娘が人殺しの咎で奉行所に捕えられた。娘はなぜ口を閉ざすのか(「願い鈴」)。北町奉行所筆頭与力の妻にして元柳橋芸者のおこうが、嫁に優しい舅の左門と力をあわせ、江戸の巷を騒がせる難事件に挑む。巧みなプロットと心あたたまる読後感は、まさに捕物帖の真骨頂。大好評『だましゑ歌麿』の姉妹篇。
著者等紹介
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
昭和22(1947)年、岩手県盛岡市に生まれる。早稲田大学商学部卒業後、美術館勤務を経て、58年『写楽殺人事件』で第29回江戸川乱歩賞を受賞。その後、61年『総門谷』で第7回吉川英治文学新人賞、62年『北斎殺人事件』で第40回日本推理作家協会賞、平成4年『緋い記憶』で第106回直木賞、12年『火怨』で第34回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
117
新規購入ではなく、積読状態のもの。詳細不明もおそらく2006年発売時に購入。 2018/2/20〜2/22 だましゑ歌麿の姉妹編。調べると10年くらい前に読んだ本。この本自体12年ものの積読本なので仕方ないか。でも読んでいるうちに設定を思い出してきた。おこうのキャラが良く、謎解きあり、人情ありで時代小説らしい内容。春朗合わせ鏡が続編だがいつ読めるだろうか。2018/02/22
財布にジャック
67
「だましゑ歌麿」の姉妹編。シリーズ2作目なんですが、前の大長編とはうって変わって、読みやすい短編集でした。登場人物は前作を引き継いでいますが、今回はおこうが主役です。そのせいか大捕物ではなく、どちらかと言うと心温まるお話でした。この後、3作目も引き続き読み進めます。2012/06/13
たま
60
読メのご感想で知り気になっていたところ、ブックオフできれいな単行本を見つけて読んだ。実は高橋克彦さん(1992年に直木賞受賞)、これまでお名前も知らず。この短編集は与力の妻のおこうが小さい違和感を抱き、それを念のため調べてみると真相につながるという構図。1篇が短く調べの部分が簡略でもう少し曲がほしいが、おこうの直観が当たるところに快感がある。おこうの舅と夫は気立てがよくきっぷがよくていい男。春朗や蔦屋が出てくるあの時代の北町奉行所筆頭与力、蔦屋から見れば悪者だから面白い。(文庫で登録します)2024/02/22
はつばあば
51
時代物の捕り物帖ときたら「み」さんじゃないがサクサク読める。ましてや元芸者が与力の妻女。姑はおらず粋な舅と自分の思い入れのある者で占められて人情物。しかも才女で謎解きも与力の亭主を凌ぐ。これこそ云う事なしの醍醐味。くぅ・・この本の前が「だましゑ歌麿」だったのか"(-""-)"購入漏れ。続きの「春朗合わせ鏡」でもっとワクワクさせてもらおう2016/02/20
こばまり
42
確かに一作でさよならするには惜しい人々であった。打って変わっての人情話で、前作で大活躍した一之進が脇に退いても十分に楽しませてくれる。シリーズ化されているので少しずつ読んでいこう。2025/01/10
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