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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
トランプとネタニヤフはバカ・寺
76
復刻版。夏葉社の本なので、育児詩集的な優しい本だとつい思っていたが、読むと冒頭の詩『美しい日没』に打ちのめされる。「たれにそうせよと言われたことでもなかった/ 笑うべき善意と/ 卑しい空威張り/ あげくの果は/ 理由もなくひとを傷つけるのだ/ お前を信じ、お前の腕によりかかるすべてのものを」これは私の事ではないのか?しかも今の私の。黒田三郎の詩を1冊読んだのは初めてだったが、薄いのに侮れない多様な読み所を含んだ永遠な本である。先日読んだ鶴見俊輔『詩と自由』に黒田のポルトレがあったのを思い出し再読した。2020/10/22
はる
58
昭和30年頃。奥さんが入院してしまったために始まった、父親と3歳の娘のささやかな日々を綴った詩集。お酒にだらしない父と、そんな父が大好きな娘。ユーモアと哀愁を漂わせながら、平明で分かりやすい言葉で綴られた文章は時代を感じさせない。特に「夕方の三十分」は傑作。夕暮れの街角を、父親と小さな娘が手を繋いで歩いていく姿が目に浮かぶよう。2023/02/16
ひさしぶり
33
開けると昭和の匂いがする詩集。夏葉社からの復刻版。「うっかり洩らしたひとりごと」のようなという形容詞がぴったりくる。オトーチャマがオトーになりジジイになって、ひと口ががぶりと飲み尻を叩く。やがて素直にやさしくなる。「夕立の三十分」だけでその生活が目の前に展開します。復刻ありがとう。2022/07/30
アオイトリ
28
読メのレビューより)学校で習ったかもしれませんが、大人になって読む黒田三郎は新鮮で素晴らしかったです。わかりやすい言葉とテンポが心のうちを豊かに伝えます。妻の入院中、世話をする幼い娘への愛というより、ご自身の屈託が痛い。その自嘲もまたよくわかる。「自分自身に耐えるために酒を飲む」大変な酒乱であった彼が抱えていたのは何だったのだろう。奥さんのエッセイも読んでみたくなりました。2023/03/05
二戸・カルピンチョ
20
読んでみると、著者の生活や取り巻く時代がふわーっと匂うように脳内に現れてくる。飲んだくれで手を上げる男が詩を書けたからと言って世間に許容されるべきではないと思うが、これらの詩は心に沁みて痛いほど。帯に完全復刻と書かれてあり、本編や奥付の原版と思われる部分が活版印刷風のフォントになっていて、余計に詩の世界に入りやすい。2026/03/01




