内容説明
歴史経験の現場で、思考の襞をたどる―
目次
序 危機の時間、二〇一一年三月(歴史の無気味さ―堀田善衞『方丈記私記』;鳥のさえずり―震災と宮沢賢治ボット;渚にて―「トポフィリ―夢想の空間」展に寄せて;希望の寓意―「パンドラの匣」と「歴史の天使」)
1 歴史の経験(過去に触れる―歴史経験の諸相;アーシアを探して―アーカイヴの旅;半存在という種族―橋川文三と「歴史」;いまだ生まれざるものの痕跡―ダニエル・リベスキンドとユダヤ的伝統の経験)
2 極限状況下の写真(剥ぎ取られたイメージ―アウシュヴィッツ=ビルケナウ訪問記;歴史の症候―ジョルジュ・ディティ=ユベルマン『イメージ、それでもなお』;イメージのパラタクシス―一九四五年八月六日広島、松重美人の写真)
3 歴史叙述のサスペンス(迷い蛾の光跡―W.G.ゼーバルトの散文作品における博物誌・写真・復元;歴史素としての写真―ロラン・バルトにおける写真と歴史;歴史小説の抗争―『HHhH』対『慈しみの女神たち』;サスペンスの構造と歴史叙述―『チェンジリング』『僕だけがいない街』『ドラ・ブリュデール』;歴史という盲目の旅―畠山直哉『気仙川』を読む)
4 歴史叙述者たちの身振り(歴史の現像―ヴァルター・ベンヤミンにおける写真のメタモルフォーゼ;記憶の色―ヴァルター・ベンヤミンと牛腸茂雄の身振りを通して;「歴史の場」の航海者―「写真家」多木浩二)
著者等紹介
田中純[タナカジュン]
1960年仙台市に生まれる。1991年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2001年東京大学より博士(学術)の学位取得。2010年フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞受賞。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授、東京大学副学長。主要著書『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(青土社、2001、第24回サントリー学芸賞受賞)、『都市の詩学―場所の記憶と徴候』(東京大学出版会、2007、第58回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、『政治の美学―権力と表象』(東京大学出版会、2008、第63回毎日出版文化賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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