内容説明
男女間の交際から、すべての人づきあいまで―私たちはなぜ「人に受け入れられたい」と思い、「我」を張りあってしまうのか?「本当の自分」とは、貪瞋痴の三毒。「自分を分かってほしい」とは、慢の煩悩。―仏道の心理学によってイライラのメカニズムを知り、人間関係の中で私たちを振り回す「慢=自己愛」の煩悩を手放すために、仏道の心理学から「心の法則性」を習得。
目次
1 他人に受け入れられる「不」可能性(「ありのままの自分」は実現不能;自分を壊す「本当の自分」)
2 残酷モテゲームの舞台裏(マーケットによる「煩悩ストレス」への甘い誘惑;モテゲームへの参入パターン)
3 「自己愛」をめぐる苦痛メカニズム(比較の刺激はやめられない;自我は存在しない;煩悩モードのケーススタディ;「苦しみ」を解剖する)
4 煩悩の黒幕:無力感(社会史的無力感;個人史的無力感;無我の自由)
著者等紹介
小池龍之介[コイケリュウノスケ]
1978年生まれ、山口県出身。月読寺(東京都)住職、正現寺(山口県)住職。東京大学教養学部卒業。2003年、ウェブサイト「家出空間」を立ち上げる。2003年から2007年まで、オテラとカフェの機能を兼ね備えた「iede caf´e」を展開。現在は、自身の修行のかたわら、一般向けに坐禅指導を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAKAPO
36
>おそらく現代人が一番欲しているものは「自分が他人から求められる、存在価値のある人間でありたい」というものです……。私は、仰る通りです。と応えてしまいますが、皆さんは、いかがですか(・・? そして、そうあるために、何かある度に、相手に求められるあり方を想像し、そのように振舞ってしまいます。しかし、その結果は、自分が望んだ結果も、相手の望んだ結果も満足することができなかった、ということになりかねません。そうならないためには、先ず自分を滅して、善いあり方を想像し、それに依って行動することが大切なのかも…?2019/05/01
白い駄洒落王
17
自分というものは存在しない。そこが自由になるためのポイント。むずかしいね。2014/01/20
文章で飯を食う
14
人づきあいと言いながら、ほぼ、自我の問題の本。結局、対人関係が上手くいかないのは、自分の問題なんだな。問題はよくわかったが、解決法は自分自身を動かす気持ちとか感情の根本に気づくこと。でも、対処療法より瞑想で心を軽くして行くほうが良いかも。2017/04/23
shinjihm
8
人に好かれたい、こう見られたい。そんな自意識が人付き合いのストレスを生み出しています。特に、「自分と自分を比較する」ということも日常的にあります。調子の良い時の自分とそうではない時の自分。「自分はこうであるべき」という強い思いが比較を生み、自分と他人だけでなく、自分自身の中でも日々比較することがクセになってしまう。そこから抜け出すためには「無我の境地」に達すれば良いのでしょうが、僕はまだまだ修行が足りないようです^^; 仏教と心理学が融合した読みやすい本です。2016/08/07
鰯
6
勢いがとまらない草食系若手ホープなお坊さんと言ったらこのひとですね。このひとの本のいいところは、現代の若いひとのとりまく状況を踏まえてアドバイスしてくれるところ。古典のよさとはまた別の。これを読んだあと、職場で「我」を張りまくる大御所からさんざんな目に遭いました。そのあとすごい悪夢をみました。とても苦しいです。本当に苦しみを快いものに頭が編集しているんだろうか。こんなに苦しいのに。瞑想してこころの動きを探るしかないのかなあ…2014/04/23
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