内容説明
なぜ人は「本当の自分」をわかってほしいのか?私たちを刺激するノイズ、「慢=自己愛」の煩悩。「自分ッ」をめぐる「快楽」と「苦痛」の発生メカニズムを知り、「無我」の突破口へ。
目次
1 他人に受け入れられる「不」可能性(「ありのままの自分」は実現不能;自分を壊す「本当の自分」)
2 残酷モテゲームの舞台裏(マーケットによる「煩悩ストレス」への甘い誘惑;モテゲームへの参入パターン)
3 「自己愛」をめぐる苦痛メカニズム(比較の刺激はやめられない;自我は存在しない;煩悩モードのケーススタディ;「苦しみ」を解剖する)
4 煩悩の黒幕:無力感(社会史的無力感;個人史的無力感;無我の事由)
著者等紹介
小池龍之介[コイケリュウノスケ]
1978年生まれ、山口県出身。月読寺(東京都)住職、正現寺(山口県)副住職。東京大学教養学部卒業。2003年、ウェブサイト「家出空間」を立ち上げる。2003年から2007年まで、オテラとカフェの機能を兼ね備えた「iede caf´e」を展開。それ以後、月読寺(東京・世田谷)に住まいながら自身の修行と、一般向けに坐禅会の指導をすることに専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りえこ
19
何に苦しんでいるかわかり、とても興味深く読みました。冷静に聞くと愚かだなと思いますが、渦中にいると見事にはまります。2017/04/04
Shimejismile
5
独特すぎる口語体に最初は引いてしまったが、ひょっとしてあれはわざと「引かせるため」の表現なんだろうか。おかげでカブれる事も溺れる事もなく適度に距離を置いて読めたわけで、これ計算しているのならすごいな。内容は「対人」というより「対自分」。といっても自己啓発とかの類ではまったくなく、くだけた調子ながら中身は非常にソリッド。いきなり悟りが開けるわけじゃないが、まずは怒りや我欲みたいな負の感情をコントロールするヒントは見つかった。2012/05/17
デビっちん
4
本来私たちが感じることのできる刺激は、苦しみだけ。欲望という魔法のプログラムによって、刺激が快楽であるかのように勘違いさせられてしまう。この欺きのプログラムを停止させるには、心の情報処理プロセスを停止するために座禅瞑想等のトレーニングを行う。刺激が発生したした瞬間から、煩悩のリアクションが生じるまでの短い時間差に意識を集中して、刺激に対する心の反応をストップさせる。煩悩の黒幕は無力感であり、受け入れの実感を得るために刺激を求める。最初読みにくくいなと感じたが、何回も読んで全体像がわかると、納得。2014/09/14
nkysimric*
4
読んでよかった!心のメカニズムというのか、全身を通して入ってくる情報からどんな流れで心が変化していくのか解説してあってとてもしっくり肚に落とし込めた。まだ文章を理解したに過ぎないけれど、すごく力が抜けて楽になれた感じがしました。小池僧正のその他の既刊本を読むにあたってこの本を読んだ前と後では響く度合いが違うと思う。サラッと読んでしまった他の本も読み返してみたいと思いました。2013/04/04
ぶ~まっくす
4
深く考えすぎて刺激を受けるとつらくなる。年をとるとともに私も対人関係に距離をとるようになったなぁ。飲酒ににげてしまうのは反省。2012/12/04