内容説明
ローマ郊外、外国人の墓地にアントニオ・グラムシは眠る。1891年、サルデーニャ島に生まれ、トリーノ大学に進む。1917年ロシア革命。「人間の意思」の結実ととらえる。研究者への道を断念し、革命家に。「工場評議会」(ソヴィエト)運動を推進。イタリア共産党の創設に参加。ファシズムと真向から対決して、1926年逮捕される。10年余の獄中生活。獄中でも思索を続け、1937年に死す。3千ページの『獄中ノート』を遺す。本書は青年期から死に至る反逆の人生、自立・自律の教育思想を描き出す。家族への教育愛も心を打つ。
目次
序章 太陽の街、甃の街―グラムシ研究への道程
第1章 社会主義の再生―ヘーゲル、マルクス、グラムシ
第2章 グラムシの教育構想―知識人と大衆の超克
第3章 現代市民社会とグラムシの教育思想―M.マナコルダ『グラムシにおける教育原理』
第4章 グラムシ「実践の哲学」と廣松哲学―「認識論」、「ヘゲモニー論」を視軸にして
第5章 イタリアの工場占拠―労働組合と工場評議会
終章 日中友好の旅―北京、海南島
著者等紹介
黒沢惟昭[クロサワノブアキ]
1938年長野市に生まれる。一橋大学、東京大学大学院で社会思想、教育学を学ぶ。神奈川大学、東京学芸大学、山梨学院大学、長野大学の教授を勤める。この間、東京大学、京都大学、新潟大学、山形大学、信州大学などで非常勤講師を歴任。現在中国東北師範大学名誉教授、一橋大学社会学博士。日本社会教育学会名誉会員、特定非営利活動法人川崎市生涯学習財団評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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