内容説明
サル、クマ、イノシシ、シカの害をくいとめたい。オオカミの復活が生態系を修復する。
目次
プロローグ オオカミは太古から自然環境の管理者だった
第1章 オオカミが日本の原生の自然を回復させる
第2章 草食獣が増えすぎると自然を根こそぎ壊す
第3章 ニホンオオカミ誕生の歴史を人の手で再現
第4章 餌があればオオカミは人を襲わない
第5章 復活地の第一候補は日光国立公園
第6章 欧米のオオカミ復活の先例
第7章 移入オオカミの生息地大興安嶺の自然を観るエコツアー
著者等紹介
吉家世洋[ヨシヤクニヒロ]
科学ジャーナリスト。ノンフィクション作家。1946年、横浜市生まれ。科学技術庁担当の新聞記者、理工系シンクタンクの研究員、科学雑誌編集長などを経験後、独立。新聞、雑誌などに、自然科学、バイオテクノロジー、それに、アウトドアものなど、幅広い記事を書いている
丸山直樹[マルヤマナオキ]
東京農工大学名誉教授。農学博士。日本オオカミ協会会長。1943年、新潟県栄村生まれ。同大卒業後、新潟県林業試験場技師。68年、同大学自然保護学講座助手。以来、一貫して野生動物保護の研究に従事。元々はシカ、カモシカ、ツキノワグマ、ニホンザルなどの生態と保護管理を研究していたが、シカの天敵のオオカミが、日本の自然生態系の頂点種として不可欠の存在であることを痛感、93年、日本オオカミ協会を設立してオオカミ復活プロジェクトを開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
7
シカやイノシシ、サルなどによる森林や農作物の被害が問題になっている。解決策として野生オオカミの存在が浮上している。日本の森林生態系の頂点は古来より人間ではなくオオカミであった。その生態が生態系全体を自然制御するという。人間は場所を選び、放ち、フォローするだけだ。剣山系もリストに上がっている。現在、人間の手に余っているのは明かで、オオカミ案は有効であるように思える。ただ、オオカミ推しが前面に出すぎて、あるいは問題が広範すぎてか、経緯・課題をきちんと整理できている気がしない。取っ掛りとしてはよし。2015/02/08
まちゃ
2
実現したらオオカミと森の中で会えるかも、とワクワク。 熊には会いたくないがオオカミには会いたい。 私の寿命が尽きるまでにプロジェクトが始まるといいな。2024/12/24
まこ魚
2
かつて日本の森にはオオカミがいて食物連鎖の頂点に立っていた。しかしオオカミの餌となるシカ等の乱獲、外来の疫病によりオオカミは絶滅してしまった。その結果シカ、カモシカ等が増えすぎて森林を破壊するようになっている。そこでオオカミを持ってきて、かつてあった森を取り戻そうぜという本。初めは「そんなの危なくてダメにきまってるでしょ」という気持ちで読んでいた。しかし読み終えるとクマが森にいるんだったら、オオカミいてもいいんじゃない?という気になる。人間の利益になるものは保護するという益害論的自然観はどうなんでしょ?2015/02/19
カネコ
2
○2013/01/29