内容説明
1935年、大恐慌で失業者があふれるアメリカで、社会保障法が成立した。伝統的に自助や個人主義が重んじられてきたアメリカで、なぜこの時期に社会保障制度が誕生したのだろうか。またそれは、どのような保障を国民に与えたのだろうか。本書は、フランクリン・D.ローズヴェルト大統領が行ったニューディール政策の一環として制定された社会保障法を様々な角度から検討し、アメリカ型の福祉国家の起源を明らかにする。
目次
第1章 1935年社会保障法の制定―経済保障委員会による立案とニューディール
第2章 1932年ウィスコンシン州失業補償法とニューディール―ウィスコンシン派の思想とラフォレット知事による州政治を中心に
第3章 母親年金から児童扶助へ―1935年社会保障法とジェンダーに関する一考察
第4章 エイブラハム・エプスタインと1935年社会保障法の制定―オルターナティブの封じ込めについて
第5章 1935年社会保障法と健康保険をめぐる議論―エドガー・サイデンストリッカーとイジドール・S.フォークの構想を中心に
第6章 直接救済・社会保険・公的扶助をめぐる相剋―1935年社会保障法のヴァージニア州への導入
著者等紹介
佐藤千登勢[サトウチトセ]
1963年生まれ。1986年一橋大学経済学部卒業。1988年一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。1991年一橋大学大学院経済学研究科博士課程中退。1993年デューク大学大学院歴史学部博士課程修了、Ph.D.(歴史学)。現在、筑波大学人文社会系准教授。専門分野はアメリカ現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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