感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
32
文、文章、そして物語はその書かれた裏側や行間にどれほどのものが隠されているかわかりません。小説家を含む芸術家はひねくれた人が多く、隠したがりなのに知ってもらいたがりで、そのうえ凝り性で美意識が高いので難しいことを驚くほどわかりやすく書いたと思うと、とても大事で綺麗なものを巧みに隠して「見つけてごらん」とすまし顔で知らん顔。著者はすこし困り顔の読者の手をとって、思考の入り口までつれて行ってくれます。そして一番大切なこと、物語を旅して味わうのは読者本人なのだよ、ということも教えてくれます。良い本です。2015/12/13
Ryosuke Tanaka
1
物語の基本的なしくみと、物語を読むときに我々が(無意識に)何を行っているか、の懇切丁寧な解説。物語の叙述から(任意に近い)暗示をデコードしアナロジーを飛躍させる、ということはパフォーマンス的批評の専売特許と思い込んでいたが、それこそが読むことの本質に実は近く、我々が物語を読むとき、我々自身の全言語体験がコンテクストとしてテクスト自体と共鳴しながら変容していくのであり、我々は我々自身すらそうやって「読んで」いるということ。物語の「おもしろさ」が何故生じるのか、みたいなことにももう少し踏み込んで欲しかった。2016/04/26
RUI
1
先輩に勧められて読みました。語り手と読み手の距離感を考えたことがなかったので、新鮮でした。言文一致体は落語の口述筆記が参考になっていたんですね。2014/01/15
澪標
1
学会発表を聞きに行った時に、発表者が参考文献で挙げていた本。 作品を読むには、どのようなツールがあるかを平易に書き上げてある。 教材研究の際の一視点を作る際に参考になる。2012/12/06
かなぶん
0
大学生の頃に読まされた本でしたが非常にわかりやすく面白いので何度も繰り返し読んでいます。