内容説明
秀才でエリート官僚であった李徴はプライドも高く、才覚のない上司に仕えることに耐えかねて辞職してしまう。詩人の道を選んだ彼であったが、妻子をかかえ貧しさから再び地方役人となる。ところが、ある日山奥で彼は忽然と姿を消す。再び現れた彼の姿は…。他「李陵」収録。
著者等紹介
中島敦[ナカジマアツシ]
1909‐1942。東京都出身。東京大学国文学科卒業後、教員となる。漢学者で漢学塾を開く祖父の元で育った環境から、漢文調の独特な文体が特徴である。「山月記」でデビュー。「光と風と夢」は芥川賞の候補ともなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koichiro Minematsu
9
JK娘が教科書で習い、ためになるとのことで読みました。 人のあさはかさが人生を左右する。深い話しで、身につまされました。2016/02/28
星野
3
個人的、岡田将生×近代文学週間その二。『山月記』は確か高校の教科書に載っていて、物凄く読み込まされた記憶がある。漢文調はあまり得意ではないんだけど、これは物語がたっていて割と好きだったなぁ。表紙、透明感を纏った青年風で好き。『李陵』では司馬遷の行動がしょんぼりな結果になったことばかり気になってしまった。(笑)2009/12/06
棚田
1
教科書にも載ってる有名な作品ですが、改めて読み返して、自分が李徴にそっくりなことに気づきました。このまま進むと自分も李徴のように後悔しても遅い、となってしまいそう。名作はやはり名作でした。2014/12/16
麻衣
1
文体が漢文調で、読むのはすごーく難しかったけど、でもって途中で何度も眠くなったけど、読み終わった今考えてみれば、面白かったと思う。それは内容が、とかそういうことじゃなくて(内容がつまらない訳じゃないけど若干不思議な世界観をお持ちの作家さんのようで…)、なんて表現すればいいのかわからないけど、多分、漢文調で難しいからこそ、読んでる間はその世界観に入り込めるというか。外の世界がシャットアウトされる感じ。でも、シャットアウトしないと難しくてついていけないからこそ、こっちサイドが無意識に断絶してるのかも。2013/07/07
lovekorea
0
『天才という毒は体に悪い。若い時にこれを飲むと骨が固まらぬ』というフレーズを思い浮かべてしまいますわ( ̄▽ ̄;)2016/12/30