目次
第1章 ピァスト伝承(『匿名のガル年代記』におけるピァスト伝承;『ヴィンセンティの年代記』におけるピァスト伝承 ほか)
第2章 ミェシコ伝承(『匿名のガル年代記』におけるミェシコ伝承;『ヴィンセンティの年代記』におけるミェシコ伝承 ほか)
第3章 ボレスワフ・フロブリ伝承(『匿名のガル年代記』のボレスワフ像;『ヴィンセンティの年代記』のボレスワフ像 ほか)
第4章 聖スタニスワフ伝承(クラクフ年報の記述;『匿名のガル年代記』の記述 ほか)
著者等紹介
荒木勝[アラキマサル]
1949年愛知県生まれ。名古屋大学法学部卒業、名古屋大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学後、国際基督教大学博士(学術)取得。名古屋大学法学部助手、岡山大学法学部講師、ポーランド科学アカデミイ歴史学研究所研究員を経て岡山大学法学部教授(西洋政治史)。ポーランド共和国ポズナニ大学歴史学部客員研究員、英国ケンブリッジ大学古典学部客員研究員ののち岡山大学大学院社会文化科学研究科教授をつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Fumitaka
3
ピャスト朝の開祖ピャスト、ミェシコ一世、そして聖スタニスラウスというポーランドの建国神話にまつわる偉人伝を考察し、中世のキリスト教社会におけるポーランドの王権の正当性について描き出す。荒木勝先生ご自身も後書きで触れられている(p. 133)が、それは中華文明圏の中で自らの位置づけを模索した大和朝廷の姿を思わせるところもあり、前に読んだ東野治之先生の『聖徳太子』を思い出した。厩戸皇子が「外来の進んだ考え」として受け止めていた仏教と、現代の日本人が考える仏教は比重が異なるはずだ。2022/12/06