内容説明
サハリン北部に暮らす北方先住民族ニヴフ。ティミ川の恵みを受けながら繁栄していた時代は遠くなり、上流に暮らすケヴォングの一族はいまは親子四人の小さな家族になった。ロシアから押し寄せてくる資本主義の巨大な波にのまれて生活環境が大きく変わっていく中で、川でつながりあって生きてきた人びとの嫁取りの伝統もまた壊れていく。ニヴフの作家がみずからの民族の運命を見つめた長編ドラマ。
著者等紹介
サンギ,ウラジーミル・ミハイロヴィチ[サンギ,ウラジーミルミハイロヴィチ] [Санги,Владимир Михайлович]
1935年、サハリン州ノグリキ生まれ。レニングラード教育大学(サンクトペテルブルグ)を卒業し、故郷のサハリンで『ニヴフの伝説』を執筆した。その後モスクワに居住し、散文作品集、詩集を次々に発表。1985年に『ケヴォングの嫁取り』を含む作品集『ルンヴォ集落への旅』でロシア国家賞を受賞、北方先住民族の作家として高く評価される。ペレストロイカ以後、サハリンに移住し、ニヴフの文化を伝えるプロジェクトに取り組む。先住民族の権利を守る活動は国際的にも広く知られている
田原佑子[タハラユウコ]
サハリン(樺太)のコルサコフ(大泊)生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業、早稲田大学大学院(露文専攻修士課程)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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