内容説明
住まいは「建物」だけが存在するのではない。住まいと暮らしが一体になった「生きている住まい」―その魅力にとりつかれた著者30年の軌跡。「御仮屋」―寝室の移動にみる「クチ‐オク」の秩序―来訪神をどこに迎えるか―変わる部分と変わらない部分―日本の「田園都市」。住まいの意味と社会のありかたを考える、ソフト面からの住文化論。フィールドワークによる豊富な図版・写真。索引付。
目次
住文化論をめざして
第1章 祭祀施設にみる住まいの原点(古代の御仮屋が残る春日若宮祭;諏訪大社上社の儀礼と御仮屋;頭屋儀礼における御仮屋の諸相;御仮屋に残る住まいの原感覚)
第2章 住まいの秩序が反映した屋内神の祭場(「クチ‐オク」の方位がつくりだす秩序;住まいの“オク”に祀られる家の神;あいまいな秩序の部屋―“カミ”と“シモ”の間;“オモテ”と“ウラ”)
第3章 来訪神への対応(他界から聖地、そして住まいを訪れる神;ニワから座敷へ―奈良県平群町の頭屋儀礼を中心に;縁と床の間―南西諸島の床の神;結界―時仏堂から仏壇へ)
第4章 住まいの変容(都市の住まい;観光化のなかで暮らしを守る住まいを求めて;沖縄の住まいと暮らし―“変容”の視点から;住まいの変容と伝統儀礼―沖縄県小浜島のヒンプン)
第5章 田園都市「千里山住宅地」から学ぶ今後の住まい(田園都市とは;千里山住宅地の誕生;住まいと暮らしの“変容”;田園都市の夢と現実、その意義)
著者等紹介
森隆男[モリタカオ]
1951年、兵庫県生まれ。関西大学大学院文学研究科修士課程修了。(財)日本民家集落博物館学芸員、尼崎市教育委員会学芸員を経て関西大学文学部教授、博士(文学)。著作に『住居空間の祭祀と儀礼』(岩田書院、日本民俗建築学会奨励賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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