内容説明
“民話のふるさと”遠野の青笹に生まれ育ち、遠野言葉を母語とし、幼いころ聞いた母親や祖母、そして大好きなハナおばちゃんの世間話や噂話などを糧として、遠野の昔話や柳田國男の『遠野物語』の暗記ではない、“遠野の語り”の原風景を模索しつづけてきた大平悦子。三・一一の大震災を機に、遠野と縁もゆかりもある三陸沿岸の人びとといっそう深く関わるなかで、人間の生きる力を奮い起こさせる語りの世界を切り拓きつつあるその語り。
目次
遠野ものがたり(黒髪の女;さらわれた娘;登戸の婆さま;オクナイサマ;ザシキワラシ ほか)
遠野のムカシがたり(とうふとこんにゃく;五徳と犬の足;ねずみのすもう;和尚さまと髪の毛;豆っこひとつ ほか)