内容説明
一九八四年、エチオピアではおよそ一二〇〇万人が飢えに苦しみ、多くの人が命を落とした。その二〇年後、同じエチオピアで前回を上回る規模の飢餓が起きた―。世界は、とくに先進諸国は、飢餓という最も根源的な苦しみをなくすその術を知ってはいたが、実行しなかったのだ。アフリカで慢性的に起きている飢餓の多くは、機能不全におちいった人類文明がひきおこした“人災”なのだ。「ウォールストリート・ジャーナル」紙の記者である著者が、豊富な現場取材を通して、新しいコンセプトで援助を始めたビル・ゲイツやU2のボノの活動を報告するとともに、「飽食の空白域」といわれる飢餓が、国際社会の不均衡なパワーバランスと、先進国の無知と怠慢と都合によって、いかに引き起こされているかを鮮明に描き出す。
目次
序文 うわべだけの後悔―エチオピア ハイランド地方ボリチャ、二〇〇三年
第1部 革命は終わっていない(変化のきざし―メキシコ、一九四四年;寄せては返す波―ノルウェー オスロ、一九七〇年;アフリカへ―エチオピア北部、一九八四年;不公平な補助金―マリ ファナ、二〇〇二年 ほか)
第2部 もう、たくさんだ!(激怒するしかない;「何かできるはずだ」―ダブリンとシアトル;食物とともに服用すること―ケニア モソリオト;二歩進んで、二歩下がる―世界各地 ほか)
著者等紹介
サロー,ロジャー[サロー,ロジャー][Thurow,Roger]
20年間、「ウォールストリート・ジャーナル」紙の海外特派員を経験。1986~91年は、主に南アフリカで取材し、アパルトヘイトの終末を人道的な立場から執筆した。その記事によって、アフリカの20ヵ国以上をふくむ、およそ60ヵ国に活動の場を広げた
キルマン,スコット[キルマン,スコット][Kilman,Scott]
20年以上、「ウォールストリート・ジャーナル」紙上で農業について執筆し、アメリカ政府とその農産業部門が国際社会に与える影響を記録してきた。貿易、バイオテクノロジー、食糧安全保障、補助金、農村経済についても執筆してきた
岩永勝[イワナガマサル]
1951年生まれ。京都大学大学院修士課程修了。米国ウィスコンシン大学にて農学博士号を取得。現在、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)、理事長。専門は植物遺伝育種学。過去30年間、海外(米国、ペルー、コロンビア、イタリア、メキシコ)で研究生活を送る。2006年に「日本農学賞・読売農学賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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