内容説明
映画ビジネスにマーケティング理論は通用しない。アニメ映画戦線に一石を投じるヒット実例集。現場主義の映画ジャーナリストが見てきた、「アニメ映画興行をヒットさせた関係者たちの取り組み」。
目次
第1章(「宇宙戦艦ヤマト」興行会社が主体性を持ち決めた上映;「崖の上のポニョ」は成功したのか?―公開後3カ月、早すぎる検証;時代に対応した?「ハウル」の宣伝;ティーンに支持されたTVシリーズと差別化、大人向けアニメをめざしてヒットした「ルパンVS複製人間」 ほか)
第2章 2008年以降の年間結果(2008年アニメ映画総決算―久々の宮崎アニメ「ポニョ」公開 その他に大ヒットない1年;2009年アニメ映画総決算―飢餓感創出した「ヱヴァ:破」が大ヒット;2010年アニメ映画総決算―「アリエッティ」、「ONE PIECE」、「ポケモン」…1本1本が健闘しいずれも好成績;2011年アニメ映画総決算―震災後のムードに左右された1年 ほか)
特別対談 業界に必要なのはオリジナル作品と人材を育成するための環境だ
著者等紹介
斉藤守彦[サイトウモリヒコ]
映画ジャーナリスト・アナリスト。1961年静岡県浜松市生まれ。映画業界紙『東京通信』記者(後に編集長)を経て、96年からフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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富士さん
1
ここで言うヒットとは映像が映画館で売れたかどうかなので、より一層映画というものの独自性を印象付けられる結果になっているように思いました。マスなメディアになりかけたこともあって、映画をただスクリーンで映像を流すだけの興行だと勘違いしがちですが、本書のエピソードを見ると、その実舞台演劇の一種なのだと再認識させられます。最近、応援上映がニュースになっているのも、やっと本来の在り方が認識されてきたのだと理解すべきだと思います。真のエンターテイメントとは、参加者すべてが作り出す“場”の事を指すものなのでしょう。2016/10/01
ハンギ
0
アニメ映画について分析した本で、中身はしっかりしている。ワンピースがいきなり500%売り上げが上がったりするなどこの業界は当たり外れが大きそう。最近、オリジナルアニメが劇場にかかったりするけど、何となくそのビジネスとしてのカラクリがわかった気がする。ジブリ映画は興行収入100億越えないとジブリ映画ではない、と言われてしまうらしいが、ほかの少数館上映のアニメは1億越えたら健闘した、といわれるらしい。ヒットしたしないの判断は単純に売り上げで決まるようではないようだ。2014/09/16
yyhhyy
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元はWEBの連載。関係者インタビューのパートが非常に良い。ヤマトの泥臭いプロモーションや、時かけを始めとしたテアトル系の当時の取組やIG,ジェンコのインタビューなど。2013/05/11