内容説明
明治政府に対抗して燃え上がった自由民権運動は立憲制の導入と国会開設という国民国家たるにあたってなくてはならないものを日本にもたらした。しかし、その一方で、欧米に対峙して国民国家を形成するという幕末の目標は、日清戦争により、アジア唯一の帝国主義をめざすという方向に変転していく。明治維新という一大歴史劇の終期を描き出す、通史編の最終巻。
目次
総論 立憲制と帝国への道
1 自由民権運動と憲法論
2 初期議会と民党
3 松方財政から軍拡財政へ
4 日清戦争
5 一九世紀末、日本統治期の台湾
6 軍隊と社会
7 近代法体系の成立―司法制度の展開を素材として