感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
2
大好きな映画「おくりびと」のもとになった本と知っていたましたがようやく読めました。淡々とした文章だけどなんだか不思議な魅力があった。第三章の「ひかりといのち」はあまりに宗教寄りだったので流し読みになったけど、その後ろに収録された小説「柿の炎」「少年と林檎」はどちらも結構良かった。2013/05/25
ぺん
0
本編。遠回しにダメ人間な自分を崇高に正当化してる感じがする。光を見る前から(というか、前が)ダメ人間だったので、光を見てしまったらまともな生活がおくれないとか言うのはなんか違うような気が。そこ以外は前半も後半も大変面白かった。死のそばにあって自己の体験を通し、内面にむけての考察にはいっていく過程がとても興味深い。自選詩はいずれも私の心には刺さらず。童話は昭和のかおり。白い手は体験談(?)ならではの淡々とした悲惨さがあり、「ほたるの墓」の兄弟仲良くない版みたいな感じ。|図2010/10/27
akubineko
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著者の死生観や宗教観が、とても深く共感できた。これを読んだら「おくりびと」は、表面的なことだけで、この本を少し借りただけだと、思った。2010/07/09
nari
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納棺夫という仕事、そして人の死に対峙し続けるという体験を通して、死生観にまで思索が及ぶ。現代とは、「生」と「死」がかなり乖離してしまった時代のようだ。本来、生死は抱き合わせのはずだったのに、死だけ遠くに追いやられてしまっている。現代社会の抱える精神的問題もそのへんにも原因があるかもしれないな、と読んでいて感じた。2010/02/28
羽景
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定本と銘打っているのは、以前出版された「納棺夫日記」に詩や童話を付しているからなのだと思う。たしかにこれはこれでよいとは思うが、なんだか感動が薄まってしまっているのではないかとも感じてしまったことは否めない。映画「おくりびと」の下敷きとなった本であるだけに、少々複雑な気持ちである。2010/01/17