内容説明
「フムフム、二階の三部屋へ下宿人をねえ…」主人公・田浦達は売れない作家。七年前に妻を亡くし、淋しさと経済的事情から自宅の二階を「下宿」として貸すことに。しかし、彼の家にはすでに二十匹以上の猫が住み着いていた…。不動産屋のアイデアで猫と暮らせる「猫下宿」と銘打ち、三人の女子学生を下宿人として迎える。孤独だった老作家と三人の若い女、そして二十匹を超える猫たちとの不思議な同居生活が始まった―。
著者等紹介
吉田和正[ヨシダカズマサ]
作家。1944年広島県生まれ。日本大学芸術学部中退後、映画助監督、週刊誌記者を経て、作家活動をはじめる。1988年「魔がさす―ビジネスマンの落とし穴」(光文社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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り こ む ん
24
妻に先立たれた、猫屋敷のおいたんが、友人の一言から始めた下宿の話。なんだか、かんだ言っても、猫中心の生活をする主人公のおいたんの姿が、猫観察小説のようで、切ないやら、笑えるやら…下宿人の女性たちの存在が、イマイチ薄いから下宿の意味があるのか?ないのか?という感じではあるけれど、つまらなくはなかった2014/02/15
kuri8655
23
〈猫と暮らせるアットホームな下宿、昭和三十年代のロマンを実現〉という不動産屋の名コピーで始まる女子大生3人との共同生活。猫との暮らしは長くても妻を亡くし子も無くて初めて人の子の保護者役となる50男は戸惑うこと多々。本作の面白味は主人公が『アウトローと呼ばれた男』など不遇な芸術家の評伝を物する著者自身であるところ。若い自分の失敗を処理せず抱えていることが「いろんな生き方・死に方があっていいじゃないか」という鷹揚さに繋がっている。共に生きるということは死や別れと背中合わせであることをリアルに語る作品だと思う。2014/07/04
ひゅうがけん
2
猫の話だが淡々と話が進んでいく感じです。主人公のおっちゃんと猫のやり取りが綴られているが、せっかく出てきた女性陣が動かない(汗)猫姿が思い浮かぶのが微笑ましいが、オリョっと思うところで終わってしまうのがチョイ残念。2011/01/24
銘菓
1
何これ…なんでこれ書いた…。猫は好きだが訳が解らない。飼い主は割とドライ。マーガリン付きの食パンとかチーズをあげるのが気になった。2009/10/03
002toko
1
猫好きにはいいかも。話は淡々としてるかな。もう少し量があるとよかったかも。2009/05/19