目次
プロローグ―方法にかんする考察(正統派経済学の限界;虚構としての「経済人」;経済学における「経験」の回復)
ソシオ・エコノミックス(コミュニティと公正規範;市場と企業;企業の行動目標 ほか)
エピローグ 実践にかんする考察(権力概念をめぐって;社会の部分工学をこえて)
著者等紹介
西部邁[ニシベススム]
1939年、北海道生まれ、東京大学経済学部卒業。横浜国立大学助教授、東京大学教養学部教授を経て、秀明大学学頭(2009年3月まで)などを歴任。1983年『経済倫理学序説』で吉野作造賞、1984年『生まじめな戯れ』でサントリー学術賞、1994年には評論活動に対して第八回正論大賞を受賞。同年より月刊オピニオン誌『発言者』(秀明出版会)の主幹を務めるが、2005年に廃刊し、同年6月より、後継隔月誌『表現者』の刊行に尽力、顧問就任(2017年11月辞任)。2018年1月21日、多摩川にて入水死(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
28
経済学といえば、新古典派経済学とケインズ経済学の二大勢力が、自由放任主義か管理主義が良いのか議論をぶつけているのだが、二つの経済学はあくまで個人を対象に置いているのと、効用(消費者にとっての有用性)があるのを信じすぎている点で著者は、共同体の行動は個人の行動とは違うこと、効用がなくても消費することが多々あることを指摘し、アメリカ風土を父に、プログマティズムを母に生まれた制度派経済学な見方を経済学にもっと取り入れるように提言。必需品の細かい定義づけに至らずも、その生産から消費までの保護を訴える。2021/10/29