感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
32
3人の若手論客との応答によって組み立てられていますが、この3人が出版10年後の現在は、そこそこの有名人になっており、現在の仕事や言説が追えることが文脈をややこしくしています。教養主義といっても厳密に何かの問題意識があるわけではなく、90年代からはじまった大学院重点化政策による定員の増加と負の相関といえる教育機関としての質の低下の問題、著者の持論であるポスト・モダンが左派の言説に回収される単純化を招いたこととが混然一体としてみえることを従来の文脈で批判しています。例えば白井聡は現在教員側の人間で、本書で批判2021/03/18
yamikin
6
別にそんなに難しくない。著者は相変わらずの口調で学問・大学教育批判を展開。私的には教養主義の復権は大学生の「ハビトゥス・コンプレックス」を高めることにある気がする。私のような育ちが悪い人間は所謂「学問」に興味を持って接触しても、「学問的語り方」が未だ体得できていない。育ちの差から学問への取り組みの差が露呈している。それが悔しい、ちゃんと語れるようになりたい、というコンプレックスが<教養>を復活させる鍵かも。半年後くらいに再読の必要あり。2010/06/06
AZUMAX
3
ヨーロッパ世界における伝統的な教養観を明らかにしたうえで、それがなぜ日本において根付かなかったのか、そしてこれからの社会で生きていく上でどのような<教養>が必要なのかというのが大きなテーマとなっている。教養とはもともと<humanitas>のことであり、その中で語学(オーラルコミュニケーションより、読解能力)を重視するのは、古典を書いた人々の理性的な思考法の「型」を身につけるためであった、と筆者は言う。日本においては、明治・大正期に西洋からそういった古典が輸入され、断片的に和訳され読まれていたため、(続)2012/07/24
かぺら
1
人文知・教養=エクリチュールを読み解くことを通じて「自分で考える」作法を学ぶ 日本におけるマルキシズムの教養に果たした役割2012/01/29
despair@色々痛い
1
有名な人の権威に頼るか、自分が知っている難しい言葉に頼るか。さぁ選ぼうじゃないか2010/06/28